京阪七条駅は東山観光の穴場の宿泊場所

京都旅行の宿泊先として最も便利なのは、電車やバスでどこでも行ける京都駅です。

ただ、京都駅のホテルは人気が高く、予約しようと思った時には満室になっていて宿泊できないことがあるのが難点。

でも、京都駅から北東に約10分歩いた河原町七条界隈の宿だと比較的空いているので、この付近で宿泊を検討するのも一つの手です。

京阪電車の七条駅に近く、特に東山を中心に観光するなら京都駅より便利ですね。

七条大橋の西側で宿を探す

七条駅は、鴨川に架かる七条大橋の東側にあります。

ここから東は東山区となります。

七条駅

七条駅

東山観光をするなら七条駅付近の宿を抑える方が便利ですが、東山区の宿は京都駅から距離がありバスで宿まで移動しなければなりません。

したがって、京都駅から徒歩圏内のホテルや旅館に泊まるのであれば、七条大橋の西側、河原町七条周辺の宿を予約した方が良いですね。

七条駅付近で予約する際は、所在地が「東山区」ではなく「下京区」となっている宿を選ぶと、京都駅から徒歩約10分程度です。

七条駅からの観光モデルコース

七条駅を拠点とした際の観光モデルコースをいくつか紹介しておきます。

  1. 七条駅から清水五条駅に向かうコース
  2. 祇園四条駅から清水五条駅に向かうコース
  3. 神宮丸太町駅から祇園四条駅に向かうコース
  4. 東福寺駅から七条駅に戻るコース

1.七条駅から清水五条駅に向かうコース

このコースでは、七条駅から1駅北の清水五条駅まで歩きます。

コース沿いには、三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)、智積院(ちしゃくいん)、清水寺、六波羅蜜寺といった有名寺院が建っています。

三十三間堂

七条駅から東に徒歩約5分の三十三間堂は、南北に約120メートルの長さがある本堂が有名で、堂内には一千一体の観音像が安置されています。

三十三間堂

三十三間堂

観音像は、それぞれに違った表情をしていて同じものはありません。

また、観音像の前には二十八部衆、風神、雷神の像もあり、堂内全体が荘厳な雰囲気に包まれています。

景色としては春の桜が見どころですね。

三十三間堂の前には京都国立博物館もあります。

智積院

三十三間堂から七条通を北に約3分歩くと見えてくる門は智積院のものです。

この門から東大路通を少し南に歩くと入り口があります。

智積院は、春の桜、梅雨のアジサイ、秋の紅葉と四季折々の景色を楽しませてくれます。

智積院

智積院

また、宝物館では桃山時代を代表する長谷川等伯の障壁画なども見られます。

国指定名勝の利休好みの庭と呼ばれる庭園もあり、見るものが多い寺院です。

清水寺

智積院から東大路通を北に歩いていくと、妙法院大谷本廟などのお寺があるので、時間があれば見ておきたいですね。

智積院から約10分歩き大谷本廟の近くにやってきたら、五条坂を東に10分上れば清水寺に到着します。

見どころは、何と言っても奥の院からの清水の舞台の眺め。

清水寺

清水寺

桜、新緑、紅葉とともに違った味わいの清水の舞台を見られますが、季節を問わずその雄大な姿を眺められます。

舞台から子安塔までの眺めも爽快ですから、しっかり見ておきたいですね。

子安塔付近から正面に臨む清水の舞台も、お忘れなく。

六波羅蜜寺

清水寺から清水坂を西に下っていき、東大路通を横切って松原通に入り、5分ほど歩くと左手に六波羅蜜寺が建っています。

途中、六道珍皇寺も建っているのでお参りしていくと良いでしょう。

六波羅蜜寺

六波羅蜜寺

六波羅蜜寺では、空也上人像や平清盛像といった歴史の教科書で見たことがある文化財を鑑賞できます。

また、金運を授けてくれる銭洗弁財天勝運を授けてくれる水掛不動尊なども拝めますよ。

六波羅蜜寺に参拝した後は、南に3分歩き五条通に出たら右に曲がって約5分歩けば清水五条駅に到着するので、京阪電車に乗車して七条駅に戻りましょう。

このコースにある施設は、文化財が多めなので、それらの鑑賞を主目的にするなら季節を問わず楽しめます。

2.祇園四条駅から清水五条駅に向かうコース

このコースでは、七条駅から京阪電車に乗って2駅隣の祇園四条駅まで行き、清水五条駅まで歩きます。

コース沿いには、建仁寺、八坂神社、高台寺、圓徳院、八坂の塔といった寺社があります。

建仁寺

最初は、祇園四条駅から南東に約5分歩き建仁寺に向かいます。

建仁寺は、境内を歩くだけでも禅寺らしい風情を楽しめますが、堂内や庭園も拝観しておきたいですね。

建仁寺の襖絵

建仁寺の襖絵

堂内では、風神雷神図屏風、現代作家や桃山時代の海北友松(かいほうゆうしょう)の襖絵などが展示されており、いずれも複製なので写真撮影が認められています。

また、〇△□の庭、潮音庭、大雄苑という趣の異なる庭園が3つ設けられており、1ヶ所のお寺で様々な風景を楽しめるのも特徴的です。

八坂神社

建仁寺から北東に約5分歩くと、東山四条の交差点に八坂神社の西楼門が見えてきます。

祇園の象徴的存在である八坂神社は、多くの社殿が朱色で境内全体が雅な雰囲気をかもしだしています。

八坂神社

八坂神社

縁結びの大国主社美人祈願の美御前社(うつくしごぜんしゃ)など、興味深い社も多いですね。

7月に祇園祭を催す神社としても有名で、この時期は神輿や様々な行事を観覧できます。

高台寺

八坂神社から南東に約5分歩き、ねねの道に入ると、石段上に高台寺が建っています。

当寺は、豊臣秀吉の正室北政所(きたのまんどころ)が晩年を過ごしたことで有名です。

春には枯山水庭園に植わった1本の枝垂れ桜が、濃い紅色の花をたくさん咲かせ、多くの参拝者を魅了します。

高台寺の枝垂れ桜

高台寺の枝垂れ桜

また、境内東側には偃月池と臥龍池という2つの池が配された庭園があり、晩秋には美しい紅葉を見られます。

高台には、傘亭や時雨亭といった味わい深い建物があり、出口へと続く竹林も心を穏やかにしてくれる景色です。

圓徳院

高台寺の次は、石段を下りて向かい側の圓徳院に向かいましょう。

当院では、南庭と北庭の2つの庭園を拝観できます。

圓徳院の北庭

圓徳院の北庭

どちらの庭園もカエデが多く植わっており、初夏の新緑、晩秋の紅葉がきれいで、縁側から鑑賞できます。

北庭は、室内の奥から柱や梁を額縁に見立てて四角に切り取るように眺めるのもおすすめです。

なお、高台寺と圓徳院は共通拝観券が用意されており、拝観料がお得になっていますよ。

八坂の塔

圓徳院の拝観後は、ねねの道を南に進み、二年坂を上って西に向かいましょう。

歩くこと約7分で、清水の街並みに溶け込む八坂の塔を見下ろせる場所に到着します。

八坂の塔

八坂の塔

この景色も東山の定番となっているので、散策時に見ておきたいですね。

八坂の塔を見た後は、南に進み、清水坂を上って清水寺へ。

その後は、七条駅から清水五条駅に向かうコースと同じように六道珍皇寺、六波羅蜜寺を見て清水五条駅に戻りましょう。

このコースは、桜やカエデが多いので、春、初夏、晩秋に歩くと満足度の高い観光になりますよ。

3.神宮丸太町駅から祇園四条駅に向かうコース

このコースでは、七条駅から京阪電車で北に4駅目の神宮丸太町駅まで行き、祇園四条駅まで歩きます。

コース沿いには、平安神宮、南禅寺、青蓮院(しょうれんいん)、知恩院といった寺社が建っています。

平安神宮

神宮丸太町駅に着いたら、南東に約10分歩き平安神宮に向かいます。

平安神宮は一見すると、ただ広いだけの神社に思えます。

ところが、平安神宮には境内を囲むように神苑が設けられており、南神苑、西神苑、中神苑、東神苑と数々の見どころを持っています。

神苑には、八重紅枝垂れ桜が多く植わっていることから春が最も華やかです。

平安神宮

平安神宮

また、西神苑のハナショウブも人気で、こちらは6月に見ごろを迎えます。

南禅寺

平安神宮に参拝した後は、東に約7分歩き南禅寺に向かいましょう。

南禅寺に入って最初に目にするのは雄大な三門。

南禅寺

南禅寺

石川五右衛門が楼上から「絶景かな」と言ったと伝えられていますね。

境内全体にカエデが多く植わっているので、初夏の新緑と晩秋の紅葉が見どころです。

庭園の拝観もできますよ。

境内の南には、国宝に指定されている水路閣もあり、旅行者や観光客の方に人気です。

青蓮院

南禅寺の次は青蓮院へ。

三条通を西に約10分歩き、途中で神宮道を南に曲がって5分ほど直進すると左手に青蓮院が現れます。

青蓮院では、建物内の文化財と庭園を拝観できます。

庭園には、霧島の庭や相阿弥の庭があり、どちらも美しい紅葉を観賞できます。

秋の青蓮院

秋の青蓮院

庭園は建物内からの鑑賞だけでなく歩くこともできるので、趣向を凝らした造りを間近で見ることもできますよ。

知恩院

青蓮院を出て、南に約5分歩くと知恩院に到着します。

知恩院にも南禅寺と同じく三門があり、こちらは入り口の石段上に堂々と建っているので威圧感がありますね。

三門だけでなく、御影堂(みえいどう)も大きな建物で、境内全体で立派な建物を見られるのが知恩院の特徴と言えます。

春の知恩院

春の知恩院

また、友禅苑と方丈庭園という2つの庭園もあり、春の桜と秋の紅葉が特に人気です。

知恩院を見た後は、南西にある八坂神社に参拝してから、四条通を西に約5分歩いて祇園四条駅に行き、京阪電車で七条駅に戻りましょう。

このコースは、建物を中心とした拝観となるので、どの季節でも満足できると思います。

でも、庭園も鑑賞することを考えると、春の桜、初夏の新緑、晩秋の紅葉の時期に廻りたいですね。

時間がなさそうなら、南禅寺を飛ばして、平安神宮から南に約10分歩き、青蓮院に向かうのもありです。

4.東福寺駅から七条駅に戻るコース

このコースでは、京阪電車で七条駅から1駅南の東福寺駅に行き、歩いて七条駅に戻ります。

コース沿いには、東福寺、泉涌寺(せんにゅうじ)、智積院、三十三間堂があります。

東福寺

東福寺駅から南東に約5分歩くと、東福寺に到着します。

東福寺は広々とした境内にたくさんの建物が建ち見るものがいっぱいです。

通天橋、開山堂、本坊庭園、仏殿、三門とどこも見逃すことはできません。

東福寺

東福寺

東福寺は、1年の中で紅葉の時期が最も人気で大混雑します。

紅葉が目的なら、11月下旬に参拝するのがおすすめですが、建物や庭園を目的とするなら、5月下旬のサツキが咲く頃が良いでしょう。

庭園や開山堂では、きれいに刈り込まれたサツキがピンク色の花をつけ、初夏らしい景色を見せてくれます。

また、この時期は人が少なく落ち着いて拝観できるのも良いですね。

東福寺には、光明院(こうみょういん)芬陀院(ふんだいん)などの塔頭(たっちゅう)が多いのも特徴です。

泉涌寺

東福寺の次は、東に約10分歩き泉山(せんざん)に向かいます。

泉山には、泉涌寺を中心に多くのお寺があり、東福寺と同じく見るものがいっぱいです。

泉涌寺は、御寺(みてら)と呼ばれるように皇室との関係も深く、建物や庭園に気品が感じられます。

泉涌寺

泉涌寺

入り口の大門から下っていくように広がる境内は泉涌寺ならでは。

山に囲まれ並んで建つ仏殿と舎利殿の姿は、自然の中に造営された大伽藍の一部を思わせるような景観です。

泉涌寺にも雲龍院今熊野観音寺といった塔頭があり、これらも見ておきたいですね。

泉涌寺を出た後は、東大路通を北に歩き、智積院に向かいましょう。

智積院の次は、七条通を西に進み三十三間堂を拝観してから七条駅に戻ります。

このコースでは、建物や文化財の拝観が中心となるので時期を問いませんが、気候的に初夏や初秋がおすすめです。

以上、京阪七条駅を拠点にした観光モデルコースを紹介しました。

時間に余裕がありそうなら、2つのコースを合わせても良いですね。

ライトアップが実施されている場合は、夜も観光できるので、いろいろ工夫してください。

旅行最終日に時間が余っているようなら、京都駅近くの渉成園東本願寺を訪れるのも良いでしょう。

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