神社に行くと必ずあるのが本殿。
本殿は、多くの場合似たような形をしていますが、中には独特の形をしているものもあります。
知り合いと神社にお参りするとき、「ここの神社の本殿は他の神社とは一味違っているんだよ」なんて語ると話が盛り上がるかもしれませんね。もちろん、しつこく語ると嫌がられるので、ほどほどにした方が良いのですが。
今回の記事では、変わった造りの本殿がある神社を6つ紹介します。
一般的な本殿は流造
まず変わった本殿を紹介する前に一般的な本殿の形を紹介しておきます。
下の写真に写っているのは、伏見稲荷大社の奥宮です。
よく見かける本殿は、屋根の前側が長くせり出している流造(ながれづくり)という技法で造られています。
後ろ側の屋根は短いので、横から見るとまるで帽子をかぶっているような形をしています。
神社にお参りに行ったときに本殿の形を確かめてみればわかりますが、大体は流造になっていますよ。
1.松尾大社
京都市西京区の松尾大社(まつのおたいしゃ)の本殿は、流造ではありますが、後ろも長く伸びている 両流造になっています。
上の写真だと、本殿が壁のような建物に囲まれているので、どのような造りになっているのかわかりませんね。
お参りの際、中に入ることができないので、外から屋根を眺めることしかできません。
さすがに外からだと屋根の造りまでは確認できないので、松尾大社の御社殿のページで写真を確認してください。
2.北野天満宮
京都市上京区の北野天満宮の本殿は、八棟造(やつむねづくり)という技法で造られています。
上の写真に写っている拝殿の左右に楽の間が配置され、拝殿の後ろに本殿があり、両者の間に石の間があります。
これらが一体となっているので、屋根の形は複雑になっています。
下の写真は、境内の天狗山から本殿を見たものです。
木の枝で見えにくいですが、3つある屋根のうち左にあるのが本殿の屋根です。
真ん中に見えるのが拝殿の屋根で、右側の屋根が楽の間です。
なお、北野天満宮の八棟造は、日光東照宮でも採用されていることから、権現造(ごんげんづくり)とも呼ばれています。
3.八坂神社
京都市東山区の祇園に建つ八坂神社の本殿は、とても立派です。
実は、八坂神社の本殿は、以前は拝殿と本殿が別々になっていたものを大きな屋根で覆って一体化しています。
建物正面の鈴が吊るされている部分のやや奥が元の拝殿で、屋根の中心部辺りが元の本殿です。
このような技法は、他にあまり例がないことから、祇園造と呼ばれています。
4.平野神社
京都市北区の平野神社の本殿は、横に4つの社殿が並んでいます。
写真だとわかりにくいですが、賽銭箱の後ろに左右2つの建物が並んでおり、さらにそれぞれの建物は2つの建物が一体となっています。
春日造と呼ばれる技法で造られた二殿一体となった社殿が2つ並んでいることから比翼春日造と呼ばれていますが、社名から平野造とも呼ばれています。
建築年代は江戸時代前期とされています。
5.石清水八幡宮
八幡市の石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)には、大きな本殿が建っています。
石清水八幡宮の社殿は鮮やかな朱色で豪華絢爛です。
本殿は、内殿と外殿が前後に配置されいる八幡造で、相の間には織田信長が寄進した黄金の桶が架かっています。
残念ながら、外からでは八幡造を確認することはできず、建物内に入らなければ黄金の桶も見れません。
6.斎場所大元宮
京都市内で最も変わっている本殿と言えば、左京区の吉田神社内にある斎場所大元宮(さいじょうしょだいげんぐう)でしょう。
茅葺屋根が昔の民家のようで落ち着きがありますね。
本殿の形は八角形をしており、大元造と呼ばれています。
また、本殿内には、日本全国の3,132柱の八百万(やおよろず)の神が祀られています。
参拝できるのは、毎月1日、節分、正月の時です。
京都には、たくさんの神社があるので、上記の他にも変わった造りの本殿があると思います。
そんな本殿に出会えた時は、またブログで紹介します。