日野の産土神として崇敬される萱尾神社

以前、京都市伏見区の日野を散策しているときに偶然見つけた萱尾神社。

見つけたと言っても、地元の方は誰もが知っている神社なのでしょうが、あまり京都関連の本では紹介されていません。

萱尾神社が建っている辺りは住宅街なのですが、境内周辺だけ木々が生い茂っています。

境内に整然と並ぶ社殿

木々の中にある参道を進んで鳥居の前に到着。

鳥居

鳥居

朱色の鮮やかな鳥居が堂々とした姿で建っています。

萱尾神社の創建は定かではありませんが、655年に藤原鎌足が社殿を造営したと伝えられています。

京都に都が置かれる100年以上も前からこの地にあったのですから、相当な歴史があります。

応仁の乱(1467年)で焼失しましたが、江戸時代前期に再建され、日野の産土神(うぶすながみ)として崇敬されてきたそうです。

また、萱尾神社は、江戸時代まで近くに建つ法界寺の鎮守社でした。

ちなみに法界寺付近は、浄土真宗の祖の親鸞が誕生した地と伝えられています。

鳥居をくぐり、境内に入ると正面に舞殿が建っています。

舞殿

舞殿

一見、寂れているような神社に思えましたが、なかなか立派な舞殿です。

舞殿の奥には、本殿が建っています。

本殿

本殿

本殿は、舞殿に比べると小ぢんまりとした感じです。

両脇に末社がありますが、本殿も他の神社の末社程度の大きさですね。

説明書によると、この本殿の再建時期は、慶安5年(1652年)で、棟札から再建時期やその後の修理時期が具体的にわかるそうです。近世日野の建築活動を知る貴重な遺構だとか。

本殿の前には、マリア観音と呼ばれるキリシタン灯籠があります。

この灯籠は、中央部分が丸く、下の方に立像が彫られている珍しいものです。

残念ながら、写真を撮っていないので、ブログに掲載できません。

調べてみると、「古都の礎」さんの萱尾神社~法界寺の鎮守社の記事に写真が掲載されていました。灯籠の下側にマリア観音と思われる像が彫られているのがわかりますよ。

2014年3月15日追記:上記記事は削除されています。

萱尾神社の境内は、鳥居から本殿まで建物が一直線に整然と建っています。

そのためか、それほど広くない境内なのにやや殺風景に感じられますね。

殺風景に感じたのは、境内に人がいなかったことも理由かもしれません。

不思議と境内にいると、懐かしい感じがしてきます。

近くの小学生が遊んでいそうな雰囲気なのですが、子供たちの気配はありませんでした。

なお、萱尾神社お詳細については以下のページを参考にしてみてください。