7月の京都。
それは祇園祭の季節です。
祇園祭は、7月17日と24日の山鉾巡行が有名で、この2日だけが祇園祭と思われがちですが、実は7月1日から31日まで1ヶ月間行われています。
なので、7月に京都を訪れると、何かしらの祇園祭の行事を観覧できます。
しかし、祇園祭の日程や見どころを何も知らずに7月に京都を訪れても、なかなか祇園祭を楽しむことはできません。
そこで、今回の記事では、祇園祭の日程と見どころを紹介します。
日程
- 7月1日
吉符入、長刀鉾町お千度 - 7月2日
くじ取式、山鉾連合会社参 - 7月3日
船鉾町神面改め - 7月5日
長刀鉾町稚児披露 - 7月7日
綾傘鉾稚児社参 - 7月10日
前祭鉾建て、長刀鉾弊切、神用水清祓式、高橋町社参、お迎提灯、神輿洗式 - 7月11日
前祭山建て - 7月12日
前祭曳初め・舁初め、前祭会所飾り - 7月13日
長刀鉾稚児社参、久世稚児社参、菊水鉾茶会 - 7月14日
中之町御供、前祭宵山、屏風祭 - 7月15日
斎竹建て、御手洗井戸開き、生間流式庖丁奉納、伝統芸能奉納、宵宮祭 - 7月16日
献茶祭、豊園泉正寺真榊建、宵宮神賑奉納行事、石見神楽、前祭日和神楽 - 7月17日
前祭山鉾巡行、くじ改め、神幸祭、無言詣 - 7月18日
後祭鉾・山建て - 7月19日
松取式・松建て - 7月20日
後祭曳初め、花傘巡行宣状授与式 - 7月21日
橋弁慶山舁初め、後祭宵山 - 7月23日
煎茶献茶祭、琵琶奉納、又旅社オハケ清祓式、あばれ観音 - 7月24日
後祭山鉾巡行、花傘巡行、花傘巡行奉納舞踊、還幸祭 - 7月25日
狂言奉納 - 7月28日
神用水清祓式、神輿洗式 - 7月29日
神事済奉告祭 - 7月31日
疫神社夏越祭
7月1日
吉符入
7月1日になると、各山鉾町では、関係者が町会所に集まります。
この日から祇園祭が始まり、神事の始まりという意味で吉符入(きっぷいり)と呼ばれています。
会所では、山鉾町の紋を染め抜いた提灯が掛かり、山や鉾の御神体も祀られ、祇園祭の無事が祈願されます。
吉符入が済んだ町会所の2階では、その日の夜から二階囃子と呼ばれるお囃子の練習が行われます。
なお、吉符入の日は、町会所で異なり、18日までにすべての山鉾町が吉符入します。
場所は、烏丸御池付近から四条烏丸付近までの各山鉾町です。
最寄り駅は、地下鉄の烏丸御池駅と四条駅、阪急電車の烏丸駅です。
長刀鉾町お千度
7月1日には、午前10時から東山区の八坂神社で、長刀鉾町お千度も行われます。
その年に選ばれた稚児(ちご)と禿(かむろ)が、町役員とともに八坂神社の本殿を3回廻り、神前に奉告と祇園祭の無事を祈願します。
3回しか廻らなくても、町役員たちとともに廻れば千回廻ったことになるのだとか。
現在、祇園祭で鉾に生きた稚児が乗るのは、長刀鉾だけで、その稚児のことを生稚児(いきちご)といいます。
その他の鉾では、人形の稚児が乗っていますね。
八坂神社の最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
7月2日
くじ取式
7月2日には、京都市役所で、午前10時から京都市長立ち合いのもと、くじ取式が行われます。
くじ取式は、17日と24日の山鉾巡行の順番を決める行事です。
かつては、山鉾巡行の先陣争いが激しかったため、明応9年(1500年)から、くじ取式が行われるようになりました。
江戸時代には、六角堂で京都所司代が立ち会い、くじ取式が行われていましたが、明治になって場所が京都府庁に変わり、さらに明治32年(1899年)からは、現在の京都市役所が使われるようになりました。
なお、長刀鉾、函谷鉾(かんこほこ)、放下鉾、岩戸山、船鉾(ふねほこ)、橋弁慶山、北観音山、南観音山、大船鉾(おおふねほこ)は、くじ取らずの山鉾です。
京都市役所の最寄り駅は、地下鉄の京都市役所前駅です。
山鉾連合会社参
同日には、午前11時30分から東山区の八坂神社で、祇園祭の無事を祈願してお祓いを受ける山鉾連合会社参(やまほこれんごうかいしゃさん)も行われます。
八坂神社の最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
7月3日
船鉾町神面改め
7月3日には、船鉾町神面改めが行われます。
しかし、非公開の儀式であるため、一般の観覧はできません。
7月5日
長刀鉾町稚児舞披露
7月5日は、長刀鉾町の吉符入の日です。
会所に集まった人々に正式に稚児が紹介されます。
午後3時30分からは、曳初め(ひきぞめ)や巡行の時の稚児舞「太平の舞」を会所の2階から四条通に向かって披露します。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
7月7日
綾傘鉾稚児社参
7日には、山鉾巡行で綾傘鉾を先導する、一般から募集された6人の稚児が、鉾町の役員とともに八坂神社に参拝します。
稚児たちは、鉾町と縁組をする結納の儀を終えた後、午後2時30分に八坂神社にお参りし、烏帽子と狩衣を着て祇園祭の無事を祈願するためにお千度を踏みます。
また、綾傘鉾稚児社参とほぼ同じ時期に24日の花傘巡行に参加する京舞井上流の門下生で作られた「みやび会」が、八坂神社に参拝する「みやび会お千度」も行われます。
当日は、浴衣姿の芸妓や舞妓たち約100人が、午前10時から浴衣姿でお千度を踏みます。
八坂神社の最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
7月10日
前祭鉾建て
7月10日からは、前祭(さきまつり)の鉾建てが始まります。
鉾建ては、各日午前中から始まります。
- 10日
長刀鉾、函谷鉾、月鉾、鶏鉾、菊水鉾 - 11日
放下鉾、船鉾 - 13日
綾傘鉾 - 14日
四条傘鉾
鉾建てが始まったばかりの時は、骨組みだけなので、何を作っているのかわかりにくいですが、徐々に完成に近づいてくると、いよいよ本格的な祇園祭の季節がやって来たなと感じますね。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
長刀鉾弊切
鉾建ての初日、午前10時から、八坂神社の神職が長刀鉾町を訪れ、神事に使用する御幣類をととのえるのが長刀鉾弊切(なぎなたほこへいきり)です。
真木(しんぎ)の中央には、新調した白大弊が付けられます。
また、同日には、長刀鉾の神剣で町役の背中をさすり、邪気を祓い清める長刀鉾町拝戴の儀も行われますが、非公開なので一般の人は見ることができません。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
神用水清祓式
10日の午前10時からは、仲源寺を雅楽を奏でながら出発した関係者たちが、四条大橋北の中央に建てた斎竹(いみたけ)の間で鴨川の水を汲み上げ、お祓いをする神用水清祓式(しんようすいきよはらえしき)が行われます。
この時、汲んだ神用水は、夜に四条大橋で神輿を清めるために使われます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の河原町駅です。
また、前祭の各山鉾町でも、10日から15日にかけて八坂神社の神職による清祓式が行われます。
高橋町社参
10日の午前11時から、八坂神社では、高橋町社参(たかはしちょうしゃさん)が行われます。
高橋町の人たちは、巡行の際、長刀鉾の稚児が切る注連縄(しめなわ)を張るための斎竹を四条通麩屋町に建てます。
その高橋町の役員が神事の無事を祈願するために八坂神社に参拝するのが、高橋町社参です。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
お迎提灯
神輿洗式(みこしあらいしき)の神輿を迎えるために氏子の祇園萬灯会の人たちが、「おむかえ」と書かれた提灯を建てて、お先太鼓に合わせて市内を巡行します。
八坂神社清々館を午後4時30分に出発した行列は、四条河原町、京都市役所前、寺町通、御旅所、東大路通、円山公園を経て八坂神社に到着します。
そして、午後7時30分から能舞台で舞踏奉納が行われます。
八坂神社の最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
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神輿洗式
10日の午後6時に八坂神社で神輿洗奉告祭が行われます。
そして、3基の神輿のうち2基が舞殿に据えられます。
午後6時55分に本殿で神輿の先祓いをし、大松明が四条大橋までの道のりを清めた後、残りの1基の神輿が小松明とともに八坂神社を出発します。
四条大橋に到着した神輿は、神職が午前中に汲み上げた神用水をふくませた榊で清められます。
ちなみに神輿を清める際に飛び散った神用水を浴びると、厄除けになると言われています。
清められた神輿は、再び八坂神社に戻ります。
八坂神社と四条大橋の最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
7月11日
前祭山建て
11日の朝からは、前祭の山建てが開始されます。
- 11日
岩戸山 - 12日
保昌山、山伏山 - 13日
油天神山、蟷螂山、芦刈山、霰天神山、郭巨山、占出山、木賊山、伯牙山、白楽天山、太子山 - 14日
孟宗山
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
7月12日
前祭曳初め・舁初め
12日からは、組み終った鉾と曳山(ひきやま)の試し曳きが行われます。
また、舁山(かきやま)では、蟷螂山(とうろうやま)の舁初めが行われます。
なお、曳初めは誰でも参加可能です。
日時は以下のとおりですが、開始時刻はその年により変わることがあります。
- 12日
午後2時00分:函谷鉾
午後2時30分:鶏鉾
午後3時00分:菊水鉾、月鉾
午後3時30分:長刀鉾 - 13日
午後12時00分:蟷螂山
午後3時00分:放下鉾、岩戸山、船鉾
前祭会所飾り
山と鉾が建てられた後、町会所やお飾り所になっている家では、会所飾りが行われます。
御神体や懸想品などが飾られ、山や鉾にも駒形提灯が取り付けられます。
また、会所の前では、16日まで、お守りや厄除けのちまきも授与されます。
後祭の鯉山も、14日から16日まで会所飾りが公開されます。
飾り付けを終えた会所の鉾と山では、祇園囃子(ぎおんばやし)も演奏され、四条烏丸周辺は一気に祇園祭の雰囲気に包まれます。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
7月13日
長刀鉾稚児社参
13日の午前11時からは、八坂神社で長刀鉾稚児社参が行われます。
白馬にまたがる稚児は、水干(すいかん)、蝶とんぼの冠、金の立烏帽子(たてえぼし)をつけ、お供を連れて八坂神社に参詣します。
この参詣で稚児は、正五位少将という10万石の大名と同じ格式の位を授かることから、「お位もらい」とも呼ばれています。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
久世稚児社参
13日の午後2時からは、南区久世町綾戸の久世駒形稚児(くぜこまがたちご)が八坂神社に参詣する久世稚児社参が行われます。
久世に建つ綾戸國中神社(あやとくなかじんじゃ)は、八坂神社と同じ祭神の素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀っています。
ただし、八坂神社は素戔嗚尊の和御霊(にぎみたま)を祀るのに対し、綾戸國中神社では荒御霊(あらみたま)を祀っており、久世稚児社参により、両者が一体となります。
久世駒形稚児は、綾戸國中神社の御神体である駒頭(こまがしら)を付けており、17日の神幸祭と24日の還幸祭では、中御座(なかござ)の神輿を先導します。
八坂神社に参拝する場合、何人も下馬しなければなりませんが、久世駒形稚児は騎乗のまま本殿に進み昇殿を許されていました。
八坂神社の最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
菊水鉾茶会
13日から16日まで、菊水鉾の会所では、菊水鉾茶会が開かれます。
菊水鉾の町内には、古くから菊水の井という名水が湧き出ていました。
茶会では、稚児人形の「菊丸」が祀られた飾り席に茶席が設置されます。
菊水鉾茶会は、13日と14日は午後9時まで、15日と16日は午後10時まで行われています。
開始時刻は、13日と15日が正午から、14日と16日が午後1時からです。
最寄り駅は、地下鉄四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
7月14日
中之町御供
7月14日の午後2時からは、中之町御供(なかのちょうごく)が行われます。
松原中之町の町家(ちょういえ)の祇園神社の前で、八坂神社宮司、長刀鉾の稚児と禿、長刀鉾町の役員などが招かれて、町内会の人々により一里塚松飾式と呼ばれる神事が催されます。
祭壇の2つの三宝には、松飾が立てられます。
松飾の根元には荒芽を巻いて覆った目籠が置かれ、クルマエビも付けられます。
当神事は、疫病が流行した際に町内に祇園社の頓宮(とんぐう)を建て、素戔嗚尊を勧請(かんじょう)して祈ったところ、疫病が鎮まったため、そのことに感謝し現在も続けられています。
神事では、町内の役員が祝詞(のりと)を唱えます。
最寄り駅は、阪急電車の京都河原町駅です。
前祭宵山
前祭の各山鉾町では、14日から16日まで、夕方以降に駒形提灯がともされます。
それぞれの山鉾町では、様々な行事が行われ、お店も出ます。
15日と16日は、周辺が歩行者天国となり、山鉾町は大混雑。
16日を宵山、15日を宵々山と呼ぶのが一般的です。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
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屏風祭
14日から16日まで、各山鉾町の旧家や老舗などで、秘蔵の屏風が展示される屏風祭が行われます。
普段はなかなか見られない高級な屏風や書画を玄関や家の中に展示し、客人を迎えるしきたりが今もなお続いています。
ただし、年によって屏風の飾り立てを行わない家もあります。
また、後祭の宵山期間まで展示しているお宅もあります。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
7月15日
斎竹建て
15日の早朝から四条麩屋町では、斎竹(いみたけ)が建てられます。
17日に長刀鉾稚児が、この斎竹に張られた注連縄(しめなわ)を太刀で切り、山鉾巡行が始まります。
なお、斎竹は、夜明けまでに建てられます。
最寄り駅は、阪急電車の京都河原町駅です。
御手洗井戸開き
15日に烏丸通錦小路上ルにある御手洗井戸(みたらいいど)が開かれます。
当地は、祇園社御旅所社務の藤井助正の屋敷跡と伝えられており、庭前の牛頭天王社(ごずてんのうしゃ)に霊水が捧げられていました。
普段は閉じられている井戸ですが、祇園祭の期間だけ開かれます。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
生間流式庖丁奉納
15日の午前10時から八坂神社では、生間流式庖丁奉納(いかまりゅうしきほうちょうほうのう)が催されます。
式庖丁は、宮中などで行われてきた食の儀式で、手を使わず、包丁と真魚(まな)箸だけで魚などをさばきます。
生間流は、藤原山蔭が開いた料理法の四条流から生まれました。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
伝統芸能奉納
15日の午後3時から午後8時まで、八坂神社の能舞台で、宵宮祭の前祝として伝統芸能奉納が行われます。
奉納される伝統芸能は、今様、琵琶、日本舞踊、狂言など様々です。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
宵宮祭
15日の午後8時から、八坂神社で御神霊を神輿に遷す宵宮祭(よいみやさい)が催されます。
神饌が供えられ、祝詞が上げられた後、境内の照明が落とされ、和琴(わごん)の音が響く中、神職が御神霊を中御座(なかござ)、東御座(ひがしござ)、西御座(にしござ)の順に遷していきます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
7月16日
献茶祭
16日の午前9時から、八坂神社で献茶祭が催されます。
当日の早朝に境内の井戸から汲まれた八坂の神水で点てられた濃茶が神前に供えられます。
奉仕は、表千家家元千宗左宗匠と裏千家家元千宗室宗匠が隔年で担当。
また、能舞台では、長刀鉾の囃子方が祇園囃子を演奏します。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
豊園泉正寺真榊建
16日の午前9時から、東洞院仏光寺東入ル洛央小学校で豊園泉正寺真榊建(ほうえんせんしょうじまさかきたて)が行われます。
かつては、神幸祭で3基の神輿を先導するため、それぞれに豊園御真榊(ほうえんおんまさかき)がありましたが、現在は東御座に供奉していた泉正寺町のものだけが残っています。
洛央小学校には祭壇が設けられ、八坂神社の神職による清祓いが行われます。
17日の午後4時30分頃から、氏子地域内を巡行した真榊は八坂神社に向かいます。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
宵宮神賑奉納行事
16日の夕刻から、祇園商店街周辺では、2つのステージが設けられ、宵宮神賑奉納行事(よいみやしんしんほうのうぎょうじ)が行われます。
歩行者天国となった四条通の大和大路通から東大路通まで、舞楽、鷺踊り、京舞、祇園太鼓など、様々な催しを見ることができます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
石見神楽
16日の夕刻から、八坂神社では、島根県浜田市金城町の久佐西神楽社中による石見神楽(いわみかぐら)が奉納されます。
石見神楽は、国の無形文化財に指定されており、和紙と粘土で作った面をつけ、笛、太鼓、鉦の囃子で演じられます。
当日は、6演目が披露されます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
前祭日和神楽
16日の午後10時頃、各山鉾町から四条寺町の八坂神社御旅所まで、囃子方がお囃子を奏でながら、翌日の巡行が晴天であることを祈願して奉納する日和神楽(ひよりかぐら)が行われます。
多くの行列が四条通を往復しますが、一部の山鉾町の行列は他の通りも巡行します。
また、長刀鉾町の日和神楽は、八坂神社まで参拝して祇園囃子を奉納します。
八坂神社御旅所の最寄り駅は、阪急電車の京都河原町駅です。
7月17日
前祭山鉾巡行
17日の午前9時から、前祭の山鉾巡行が行われます。
長刀鉾を先頭に四条烏丸を出発した行列は四条河原町、河原町御池と進み、午後1時頃に新町御池に到着します。
山鉾巡行では、各山鉾の豪華な装飾品を見られます。
見どころは、四条河原町と河原町御池で、鉾や曳山を方向転換する「辻廻し」です。
ただ、四条河原町も河原町御池も、見物客が非常に多いので、辻廻しを見るのは一苦労です。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、京都市役所前駅、烏丸御池駅、阪急電車の京都河原町駅です。
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くじ改め
山鉾巡行の列が四条堺町に到着すると、くじ改めが行われます。
くじ改めは、2日のくじ取式で決定したとおりに各山鉾が順に進んでいるのを確認する儀式です。
くじを改める奉行役は、大紋烏帽子姿の京都市長で、各山鉾町の町行事は文箱の中のくじ札を独特の動きで差し出します。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
神幸祭
17日の午後4時から、久世駒形稚児が、馬に乗ったまま八坂神社の南楼門をくぐり、舞殿を3周してから本殿へ進み、神幸祭の祭典が行われます。
そして、午後5時から6時頃に各神輿の舁き手が舞殿を廻った後、南楼門から外に出ます。
中御座、東御座、西御座の順に発輿すると、午後6時30分頃に祇園石段下で3基の神輿が揃い、さし回しをします。
神輿渡御は、3基の神輿が、北は二条通、南は松原通、東は寺町通の所定の道順に従って進み、午後8時から9時頃までに寺町四条近くの八坂神社御旅所に到着します。
神霊は、神宝とともに24日まで御旅所に止まります。
八坂神社の最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
無言詣
17日から24日まで、四条寺町の八坂神社御旅所に神輿が鎮座している間、一言も口をきかずに毎晩お参りをすると、願い事がかなうと伝えられています。
ただし、24日は、四条大橋から御旅所まで7往復半、お参りをしなければなりません。
最寄り駅は、阪急電車の京都河原町駅です。
7月18日
後祭鉾・山建て
18日の朝からは、後祭の鉾建てと山建てが始まります。
- 18日
四条町大船鉾、鷹山 - 19日
北観音山、南観音山、鯉山 - 20日
役行者山(えんのぎょうじゃやま)、鈴鹿山、黒主山、浄妙山 - 21日
八幡山、橋弁慶山
最寄り駅は、地下鉄の烏丸御池駅です。
7月19日
松取式・松建て
19日の午後1時から、新町通蛸薬師上ルで、北観音山と南観音山が真松を建てるに際し、新しく伐った2本の松のどちらを使うかを決める松取式が行われます。
どちらの松を選ぶかは、くじで決められます。
午後3時からは、松建てが開始されます。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
7月20日
後祭曳初め
7月20日から、後祭の山鉾が建った後、八坂神社の神職による清祓が22日まで行われます。
20日の午後3時からは、四条町大船鉾、北観音山、南観音山、鷹山の曳初めが行われます。
四条町大船鉾は20日の午後6時から、南観音山は21日の午前10時から、一般客も搭乗できます。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
花傘巡行宣状授与式
20日は、午後3時から八坂神社で、花傘巡行列者に神事の宣状を授ける花傘巡行宣状授与式が行われます。
馬長稚児(うまおさちご)と児武者(こむしゃ)をつとめる児童たちには神の儀式に参加するための任命証が授与されます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
7月21日
橋弁慶山舁初め
21日の午前11時から、橋弁慶町の人たちによって橋弁慶山の舁初めが行われます。
舁初めは、烏丸通と室町通の間の蛸薬師通を練り歩きます。
最寄り駅は、地下鉄の烏丸御池駅です。
後祭宵山
21日から23日まで、後祭の宵山が行われます。
夕刻から始まる後祭の宵山は、前祭の宵山とは異なり、露店は出ません。
各山鉾の駒形提灯が灯される静かな宵山です。
23日の午後9時からは、前祭と同じように日和神楽を実施し、新町通、三条通、寺町通、四条御旅所へと進んでいきます。
最寄り駅は、地下鉄烏丸御池駅です。
- 祇園祭後祭の宵山で見た大船鉾、南観音山、北観音山・2024年
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- 祇園祭後祭の宵々山-北観音山、南観音山、大船鉾・2019年
7月23日
煎茶献茶祭
23日の午前9時から、八坂神社では、京都の煎茶家元六流の輪番による煎茶献茶祭が行われます。
点てられた3服の煎茶は神前に供えられます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
琵琶奉納
23日の午前10時からは八坂神社の能舞台で、琵琶、日本舞踊、詩吟、剣舞が行われる琵琶奉納が催されます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の河原町駅です。
又旅社オハケ清祓式
23日の午後2時から、三条大宮の八坂神社又旅社(またたびしゃ)で、又旅社オハケ清祓式(きよはらえしき)が行われます。
オハケは、24日の神輿還幸に先立って、八坂神社又旅社の石鳥居右横に斎芝を敷き、四隅に斎竹を立て、その中心に神の依代となる3本の御幣を立てたものです。
最寄り駅は、阪急電車の大宮駅、または京福電車の四条大宮駅です。
役行者山護摩焚供養
23日の午後2時から、聖護院の山伏が祭りの無事を祈願する役行者山護摩焚供養(えんのぎょうじゃやまごまたきくよう)が行われます。
山伏の行列は約30人で、六角堂を午後1時頃に出発した後、浄妙山や南観音山などに参拝し、役行者山にやって来ます。
山伏たちが、役行者山の3体の御神体に参拝した後、護摩が焚かれます。
最寄り駅は、地下鉄の烏丸御池駅です。
あばれ観音
23日の午後11時頃から、南観音山では、本尊の楊柳観音に布をかぶせて蓮台に縛り付け、法被姿の男性たちが激しく振りながら町内を担いで回る「あばれ観音」が行われます。
最寄り駅は、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅です。
7月24日
後祭山鉾巡行
24日は、後祭の山鉾巡行が行われます。
午前9時30分に烏丸御池を出発した行列は、河原町御池、四条河原町、四条烏丸まで、前祭の山鉾巡行と逆に進んでいきます。
後祭の山鉾巡行は、数が少ないので1時間程度で、全ての山鉾を見終えることができます。
最寄り駅は、地下鉄の烏丸御池駅、京都市役所前駅、四条駅、阪急電車の京都河原町駅です。
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花傘巡行
24日の午前9時30分に花傘巡行の列が下京中学校成徳学舎を出発します。
花傘巡行は、花傘、祇園太鼓、獅子舞、祇園囃子、馬長、鷺踊などで構成され、花街の芸妓も参加します。
下京中学校成徳学舎を出た行列は、烏丸通から四条通を東に進み、市場御旅所を経て、午前11時頃に八坂神社に到着します。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、阪急電車の烏丸駅と京都河原町駅、地下鉄の四条駅です。
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花傘巡行奉納舞踊
花傘巡行の行列が八坂神社に到着した後、午前11時30分頃から花傘巡行奉納舞踊を行います。
舞妓さんの舞踊、鷺踊、萬灯踊などが舞殿で奉納されます。
還幸祭
24日の午後5時になると、寺町四条の八坂神社御旅所に17日から鎮座していた3基の神輿が京都市内を練り歩く還幸祭が始まります。
中御座は、神泉苑まで渡御し、八坂神社の神事と神泉苑の仏事の両方が催されます。
その後、八坂神社又旅社で3基の神輿が立ち寄り神事が行われます。
午後9時から11時にかけて八坂神社に中御座、東御座、西御座の順に戻って来、3基の神輿が揃う午後11時過ぎから神事が執り行われます。
午前0時頃に八坂神社の南楼門が閉ざされ、境内の灯りが消え、御神霊遷し(みたまうつし)の神事が始まります。
還幸祭では、北は二条通、南は高辻通、西は千本通と、神幸祭よりも広い範囲を神輿が渡御します。
八坂神社御旅所の最寄り駅は、阪急電車の京都河原町駅です。
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7月25日
狂言奉納
八坂神社の能舞台で茂山忠三郎社中による狂言が奉納されます。
時間は、午前11時頃から午後3時30分頃まで(正午から午後2時頃まで中入)。
7演目行われます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
7月28日
神用水清祓式
10日と同様に還幸祭を終えた神輿を洗い清める神用水を汲み上げる神用水清祓式が、四条大橋で午前10時から行われます。
また、祝い提灯の行列も夕方に祇園の街を練り歩きます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
神輿洗式
10日と同様に24日の午後6時から神輿洗奉告祭が行われた後、四条大橋で神輿洗式が行われます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
7月29日
神事済奉告祭
29日の午後4時から、八坂神社で、宮本組が中心となり、祇園祭の終了を神に奉告し、神恩を感謝する神事済奉告祭が催されます。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
7月31日
疫神社夏越祭
31日は、午前10時から八坂神社の摂社である疫神社(えきじんじゃ)で、疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい)が行われます。
疫神社の鳥居には、大茅輪(おおちのわ)が付けられ、参拝者はここをくぐって厄気を払います。
また、「蘇民将来子孫也」と記された護符の授与も行われます。
この疫神社夏越祭をもって、祇園祭は終了します。
最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅、または阪急電車の京都河原町駅です。
祇園祭は、17日と24日の山鉾巡行が最も盛り上がりますが、その他の行事も興味深いですから、7月に京都にお越しの際は祇園祭の行事をぜひ観覧してください。
なお、この記事は、白川書院の新版 祇園祭のひみつと淡交社の新版 京都・観光文化検定試験公式テキストブックを参考にするとともに実際に祇園祭を見て知り得た情報に基づいて書いています。