京都市中京区にある新京極通は、たくさんの若者でにぎわう場所です。
修学旅行生に人気のお土産屋さんも多数あり、いつも活気があります。
新京極通は、北は三条通、南は四条通まで続くアーケード街。
割と近代的な通りですが、ここには、いつの頃からか、七不思議が伝わるようになりました。
今回の記事では、北から順番に新京極の七不思議を紹介します。
1.たらたら坂
三条通から新京極通に入ると、すぐにゆるやかな坂が現れます。
これをたらたら坂といいます。
新京極通の1本西に寺町通がありますが、そこにはこのような坂はありません。
東にある河原町通にも坂はありません。
でも、新京極通にだけたらたら坂があります。
なぜ、ここだけ坂道になっているのか不思議です。
2.長仙院の未開紅の梅
新京極通を南に進み六角通まで来たら、東に曲がり新京極通からはずれます。
そして、裏寺町通と交わる辺りまで来ると、長仙院というお寺が建っています。
長仙院には、つぼみの間は紅色で、開いた時には白い花が咲く未開紅(みかいこう)の梅が植えられています。
私が訪れた時は門が閉まっていたので、境内を覗くことしかできず、どれがその梅なのかわかりませんでした。
2月に訪れると咲いているのではないでしょうか。
3.誓願寺の阿弥陀如来
再び六角通を西に進み新京極通に戻ってくると、誓願寺というお寺が建っています。
その昔、解剖学者の山脇東洋が、解剖した囚人の菩提を弔うために体内に五臓六腑のある阿弥陀如来を誓願寺に寄進しました。
現在、金色の阿弥陀さまが、祀られていますが、これは山脇東洋が寄進したものではありません。
残念なことに五臓六腑のある阿弥陀如来は焼失したため残っていません。
4.誓願寺の迷子の道しるべ
誓願寺にはもうひとつ不思議が伝わっています。
それは、門の左にある迷子の道しるべです。
道しるべの右側には「教しゆる方」、左側には「さがす方」と彫られています。
昔は、落し物や迷子のとき、拾った人は左側に、探している人は右側に貼り紙をしたそうです。
5.誠心院の和泉式部の墓と軒端の梅
誓願寺からさらに南に進むと誠心院が建っています。
境内の墓地には、平安時代の歌人の和泉式部のお墓があります。
このお墓の近くには、軒端(のきば)の梅も植えられていたそうです。
また、和泉式部のお墓と軒端の梅にちなんで本堂の左手前には、梅の古木が植えられています。
6.安養寺の倒蓮華の阿弥陀如来
安養寺には阿弥陀如来が祀られています。
この阿弥陀如来の台座の蓮は、不思議なことに逆さについています。
台座を造って阿弥陀如来を置こうとしたら2度も壊れてしまい、蓮を逆さにすると置くことができたと伝えられています。
そのため安養寺は倒蓮華寺(さかれんげじ)とも呼ばれています。
7.染殿院の地蔵尊
最後は、新京極通の南端に建つ染殿院です。
染殿院には、2メートルもある木造の地蔵菩薩が祀られています。
お地蔵さんは、不思議なことに裸で祀られています。
裸形のお地蔵さんは、京都では染殿院にしかなく、50年に1度開帳されます。
以上が、新京極通の七不思議です。
私は、最初に紹介した「たらたら坂」が一番不思議ですね。
なぜ、新京極通にだけ坂があるのか、またの機会にじっくり調べてみようと思います。