京都市北区に正伝寺(しょうでんじ)というお寺が建っています。
正伝寺には、獅子の児渡し庭園という枯山水庭園があります。
この庭園は、初夏に美しい景色が見れるということを本で読んだことがあったので、5月上旬に正伝寺を訪れました。
雨で葉の色が深くなった木々
市バスの「神光院前」で下車し、北西に15分ほど歩くと正伝寺の入口が現れます。
門をくぐると、奥は木々に覆われた参道となっており、歩を進めていくごとに山の中に入っていくようで、周囲が暗くなっていきます。
雨がしとしとと降る日だったので、暗く見えるのはその影響かもしれません。
参道の途中にゴルフ場のカート道が出現し、ちょっと興ざめだったのですが、それは見なかったことにして、奥へと進んでいきます。
小さな門をくぐると、その向こうには、お寺の建物へと続く石段が現れます。
石段の左右の木々の葉は、雨をたっぷりと含んでいるせいか、深い緑色に見えます。
カエデの木もたくさんあったので、きっと秋に訪れると、素晴らしい紅葉を見ることができるのでしょうね。
なんてことを思いながら歩いているうちに玄関に到着。
靴を脱いで建物内に入ります。
そして、拝観受付で400円を納めて本堂へと進みます。
本堂の前に広がるのが、獅子の児渡し庭園です。
この庭園は、枯山水庭園ですが、よく見かける枯山水庭園とは異なり、石ではなくサツキの刈込で七五三調を表現しています。
サツキは、まだ時期が早かったため、ほとんど花が咲いていませんでした。
実は、5月上旬に正伝寺を訪れたのは、庭園に植えられているサツキをツツジだと勘違いしたためです。
ツツジだったら、ちょうど見ごろを迎えていたんですけどね。
晴れている日には、ここから比叡山を眺めることができるようなのですが、雨のせいで、まったく見えません。
庭園の左側にサツキが3本ずつと5本ずつ植えられています。
一方、右側には7本のサツキ。
これで七五三の出来上がりです。
さて、正伝寺と言えば、獅子の児渡し庭園以外にも有名なものがあります。
それは、庭園をのんびりと眺めている広縁の上にある血天井です。
関ヶ原の戦いの前、東軍に味方した鳥居元忠が伏見城にたてこもり、西軍と戦いました。
しかし、西軍の攻撃を支えることができず、元忠とその家臣たちは、城を枕に自害して果てます。
床には元忠らの血がべったりと付きました。
その後、血の付いた床を天井としたことから血天井と言われています。
庭園を眺めていると、上から血がぽたりぽたりと落ちてくるんじゃないかと心配になってしまいますが、さすがに現在では黒っぽいシミが残っているだけなので、その心配は不要です。
血天井と知らなければ、雨漏りで、シミが付いたのかなと思う程度ですよ。
獅子の児渡し庭園と血天井を十分に観たので、そろそろ帰ることに。
玄関には、シャクナゲがきれいに咲いていました。
なお、正伝寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。