京都市右京区の妙心寺に退蔵院というお寺があります。
退蔵院には、昭和に造られた余香苑(よこうえん)という池泉回遊式庭園があり、春になると紅八重枝垂れ桜が見ごろを迎えます。
4月中旬。
満開となった紅八重枝垂れ桜を見に退蔵院を訪れました。
元信の庭
妙心寺は、JR花園駅から東に5分ほど歩くと到着します。
南の門から境内に入り、北西に少し歩くと退蔵院の入口があります。
退蔵院は、応永11年(1404年)に波多野重通(はたのしげみち)が妙心寺第3世無因禅師を開山として創建したのが始まりです。
お寺には、如拙作の瓢鯰図(ひょうねんず)が保管されており、拝観時はそのレプリカを見ることができます。
門をくぐり受付で拝観料500円を納め、順路にしたがって進んでいきます。
拝観受付の近くには、少し花が少なくなっている桜がありました。
最初に見るのは方丈です。
ここに先ほどの瓢鯰図のレプリカがあります。
方丈の西には、狩野元信の作と伝えられている枯山水の元信の庭が配されています。
狩野元信と言えば、画家として知られています。
通常、こういった庭園は禅僧や造園家によって造られる事が多く、画家が作庭したものは珍しいとのこと。
説明書によると、水が滝より大海に流れ込むまでの様子を白砂によって表現しているそうです。
余香苑に咲く紅八重枝垂れ桜
方丈の次は、再び順路に従い余香苑へと向かいます。
余香苑の入口の門をくぐると、紅八重枝垂れ桜が見ごろを迎えていました。
上の紅八重枝垂れ桜の近くには、もう1本紅八重枝垂れ桜が植えられています。
こちらの枝垂れ桜の方が見やすい場所にあるので、写真も撮りやすいです。
まるで、青空からピンク色の花が降り注いでいるようです。
さらに順路にしたがって進みます。
売店の奥には、抹茶席があり、その正面にも紅八重枝垂れ桜がありました。
抹茶席からだと、申し分のない眺めなのでしょうが、外からだと、通路が狭いので観賞するのが難しいですね。
ちなみにこの桜の枝にウグイスがとまっていたのですが、写真を撮ろうとしたら、どこかへ飛んで行ってしまいました。
そして、余香苑の一番奥に到着。
ここが、余香苑の一番の見どころと言っても良いでしょう。
竜王滝から水が流れ落ち、大きな池を造っています。
退蔵院に訪れた観光客の方たちは、ベンチや細長い石の上に腰を掛けて、この景色を楽しんでいました。
カメラマンの方のお目当ては、ここから見える紅八重枝垂れ桜のようで、立派なカメラを向けていました。
この場所は、庭園の西に位置するので午前中だと逆光になって写真が撮りにくいでしょうね。
拝観するなら午後がおすすめです。
余香苑を出る前に入口付近の桜を再び撮影。
青空に飛行機雲ができていました。