家を直す屋根葺地蔵を祀る新徳寺

京都市中京区の壬生(みぶ)に新徳寺というお寺が建っています。

幕末ファンなら、ここが新撰組結成の地であることはよく知っているはず。

その新徳寺には、家を直すという一風変わったご利益を授けてくれる屋根葺地蔵(やねふきじぞう)というお地蔵さまが祀られています。

星光寺の本尊だった地蔵尊

阪急電車の大宮駅、または京福電車の四条大宮駅から南西に約5分歩くと、壬生寺の正面に新徳寺が建っています。

普段は門が閉ざされ、境内に入ることはできません。

新徳寺の山門

新徳寺の山門

令和5年(2023年)には、「京の夏の旅」で特別公開されたことがあるようですが、次回の公開は不明。

新徳寺は、元文4年(1739年)に臨済宗永源寺派のお寺として創建されたのが始まり。

本堂には、観音さまを本尊として祀り、屋根葺地蔵も安置しています。

この屋根葺地蔵は、新徳寺から北東に約10分歩いた六角大宮に建っていた星光寺の本尊として祀られていたもの。

重要文化財に指定されている土佐光信筆の「星光寺縁起絵巻」にその由緒が記されています。

同絵巻によれば、寛喜2年(1230年)に山城国の国司だった平資親(たいらのすけちか)が僧のお告げにより茨の中から見つけ出した地蔵菩薩を持ち帰り、安置するためのお寺として建立したのが星光寺とのこと。

老女の家の屋根を修理したお地蔵さま

「星光寺縁起絵巻」には、屋根葺地蔵の伝説も描かれています。

室町時代。

このお地蔵さまに熱心にお参りをする老女がいました。

ある日、老女の家の屋根が大風で壊れてしまいます。

老女が、それに嘆き悲しんでいると、若い法師がやってきて屋根を修理してくれました。

後に老女が、その法師のことを調べると、日ごろお参りしているお地蔵さまの化身だったことがわかったそう。

これが屋根葺地蔵と呼ばれるようになった由来。

普段は、家が壊れるなんて考えることはありませんから、家を直すご利益と言われても、あまりありがたい気がしません。

そういうこともあり、新徳寺に家を直すご利益を授けてくれる屋根葺地蔵が祀られていることも、ほとんど認知されていませんね。

星光寺に祀られていた屋根葺地蔵は、等身大の石仏だったようですが、新徳寺に祀られている屋根葺地蔵は約35cmの木彫座像のようです。

石仏から木彫りに変わった理由はわからず。

星光寺が、その後どうなったのかも、よくわかりません。

現在、「星光寺縁起絵巻」は、東京国立博物館が所蔵しています。

とりあえず、壬生寺にお参りに行く際は、新徳寺の門前から屋根葺地蔵にお参りしておけば、自宅に何かあった時、屋根葺地蔵の化身が家の修理に駆け付けてくれるかもしれませんよ。

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