安産、子授け、嬰児守護の仁孝天皇御胞衣塚・西院春日神社

阪急電車の西院(さいいん)駅、または、京福電車の西院(さい)駅から北に約5分歩いたところに西院春日神社が建っています。

西院春日神社は、平安時代に淳和天皇の離宮である淳和院があった地とされ、天皇家とゆかりがあります。

また、境内には、江戸時代後期の仁孝天皇の御胞衣塚(おえなつか)もあり、安産子授け、嬰児守護のご利益があると伝えられています。

子安石が奉納された仁孝天皇御胞衣塚

胞衣とは、出産の際に胎児とともに出てきた胎盤のことです。

そして、胞衣塚は、その胎盤を埋めた場所を意味します。

宮中では、皇子や皇女の誕生の際に天皇家とゆかりのある由緒ある寺社に御胞衣を埋めて、皇子や皇女が健康に育つことを祈願する習わしがありました。

西院春日神社は、天長10年(833年)に淳和天皇が仁明天皇に皇位を譲って淳和院に移った際、奈良の春日大社から分霊を迎えて守護神としたことに始まりますから、天皇家とゆかりがある神社です。

仁孝天皇の御胞衣が、当社に埋められたのは、そのような歴史があるからでしょう。

仁孝天皇御胞衣塚は、境内のやや西側、神楽殿の付近にあります。

仁孝天皇御胞衣塚

仁孝天皇御胞衣塚

御胞衣塚に置かれているたくさんの白色の石は、子安石です。

西院春日神社の説明書によると、安産、子授け、母体の健康、乳幼児の健やかな成育を祈り、子安石を奉納する風習があるとのこと。

安産、子授け、子供守護を祈願するなら、仁孝天皇御胞衣塚にお参りをするとご利益を授かれそうですね。

御胞衣塚は、西院春日神社にもあります。

例えば、仁孝天皇のお父さんの光格天皇の御胞衣塚は、上京区の京都御苑の東に建つ護浄院(清荒神)にあります。

また、仁孝天皇の子の孝明天皇の御胞衣塚は、東山区の五条坂沿いに建つ若宮八幡宮社にあります。

護浄院も若宮八幡宮社も、西院春日神社から離れた場所にあり、3ヶ所にお参りするには何時間もかかりますが、1日で参拝することは可能です。

西院春日神社から若宮八幡宮社へは、西院駅から阪急電車に乗車し京都河原町駅で下車、四条大橋を渡り、祇園四条駅から京阪電車に乗車し清水五条駅で下車して、東に徒歩約5分です。

若宮八幡宮社から護浄院へは、清水五条駅から京阪電車に乗車し神宮丸太町駅で下車、北西に徒歩約7分です。

親、子、孫の3代の天皇の御胞衣塚にお参りをすると、大いにご利益がありそうですね。

なお、西院春日神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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