9月下旬に京都市山科区の日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)に参拝しました。
日向大神宮は、山の中に建つ静かな神社で、訪れる人がとても少ないです。
京都によく観光で訪れる人でも、日向大神宮の存在を知らない人は多いでしょうね。
私が日向大神宮を訪れた日は、秋晴れの清々しい天気で、気持ち良く参拝することができました。
山の中の境内
日向大神宮の最寄り駅は、地下鉄蹴上駅です。
駅を出て三条通を北に歩くと、観光客の方に人気の南禅寺がありますが、日向大神宮の入り口となっている石造りの鳥居は南禅寺と反対の南に少し歩いた場所にあります。
石造りの鳥居をくぐると、緩やかな上り坂となっている参道があります。
参道は、山に向かって延び、歩いていると周囲が徐々に緑に包まれていきます。
この日は、京都市の気温は30度ほどあり、参道を歩き始めた時は暑かったのですが、山に入るに連れて参道に涼風が吹き、次第に汗が引いていきました。
日向大神宮の境内に入る石段前に到着しました。
石段はやや急なので、気を付けて上りましょう。
石段の上には、木造りの鳥居が建っています。
なかなか味のある鳥居であります。
鳥居をくぐって境内に入ると、手前に拝殿、奥に外宮が建ち、さらに奥には内宮が建っています。
まずは、外宮にお参りをします。
外宮には、天津彦火瓊々杵尊(あまつひこほににぎのみこと)と天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)が祀られています。
外宮の後ろの橋の近くでは、秋らしくススキの穂が伸びていました。
橋を渡った右手には、小さな祠があります。
この祠は、恵美須神社と天鈿女神社(あめのうずめじんじゃ)のものです。
橋の奥の石段を上ると、正面に内宮が建っています。
内宮には、天照大神、多紀理毘売命(たぎりひめのみこと)、市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)、多岐都比売命(たぎつひめのみこと)が祀られています。
それでは、内宮にもお参りをしましょう。
日向大神宮は、清和天皇の勅願で天照大神を粟田山に勧請(かんじょう)したのが始まりです。
その後、応仁の乱(1467年)で焼失しましたが、寛永年間(1624-1644年)に伊勢人野呂左衛門尉源宗光が再興したと伝えられています。
日向大神宮の石段下にあった説明書によると、先ほどお参りをした内宮は、桁行正面1間、背面2間、梁行2間の神明造の建物で、両脇に棟持柱を建て、屋根の棟には内削ぎの千木(ちぎ)と堅魚木(かつおぎ)8本をのせているそうです。
また、本殿の前に建つ四脚門の御門の屋根にも内削ぎの千木と堅魚木6本がのっているそうです。
最初にお参りをした外宮も、内宮とほぼ同じ規模・形式なのですが、屋根の千木が外削ぎで堅魚木がそれぞれ1本少なくなっています。
開運厄除の天の岩戸くぐり
内宮から、さらに山の奥に入ると東屋があります。
以前はなかったのですが、新たに建てられたようですね。
ここで、少し休憩をしましょう。
東屋の正面には、天(あめ)の岩戸があります。
天の岩戸と言えば、天照大神が隠れたところです。
天照大神が天の岩戸に隠れると、世界は暗闇となりましたが、アメノウズメが愉快な踊りを入り口付近で舞うと、天照大神は気になり、顔を岩戸から出したところをタヂカラオに引き出され、元の明るい世界に戻ったと伝えられています。
境内にアメノウズメを祀る祠があるのも、この伝説と関係があるのでしょうね。
天の岩戸の中に入りましょう。
中はL字型になっていて、30秒ほどで出口から外に出られます。
これで、開運厄除のご利益を授かれたことでしょう。
再び内宮の前に戻って来ました。
ここからの眺めは、なかなかの絶景で、カエデの緑色の葉と古風な社殿が見事に調和しています。
日向大神宮では、秋が深まると美しい紅葉を見ることができるので、11月下旬に参拝するのがおすすめです。
なお、日向大神宮の詳細については以下のページを参考にしてみてください。