京都市北区には、多くの方が観光に訪れる金閣寺があります。
金閣寺を拝観した後、きぬかけの道を西に歩いて行くと龍安寺と仁和寺にも訪れることができます。
この3つのお寺は、世界遺産に登録されている有名寺院なので、この辺りは京都観光の定番コースとされています。
ただ、一度に3つも世界遺産に訪れるとお腹いっぱいになってしまうと言う方も多いことでしょう。
でも、金閣寺だけ拝観して帰るのも、それはそれであっさりとし過ぎています。
そこで、今回は金閣寺の拝観後、気軽に訪れることができる2つの神社を紹介したいと思います。
安産守護のわら天神
金閣寺を出て、西大路通を南に5分ほど歩くと敷地神社の鳥居が見えてきます。
敷地神社というよりもわら天神という名の方が知られていますね。
わら天神は、安産守護の神様で、安産祈願のわらの護符を授かることができるというところから、その名で呼ばれるようになったとか。
わらの護符に節があれば男の子、なければ女の子が生まれると言われています。
わら天神は、西大路通に面しているにも関わらず、境内は静寂に包まれていて、落ち着きがあります。
やはり、金閣寺を拝観した観光客の方は、龍安寺や仁和寺を訪れているようで、わら天神の境内には、人の姿がありませんでした。
境内には、とても太い木の切り株が祀られています。
この切り株は、綾杉明神と言い、昔から御神木として崇められていたのですが、明治時代に台風で倒壊したそうです。
わら天神は、人が多い金閣寺の拝観後に訪れると、境内が静かなので心が落ち着きますね。
珍しい本殿を持つ平野神社
わら天神に参拝した後は、西大路通をさらに南に5分ほど歩くと平野神社に着きます。
平野神社は、その境内に50種500本もの桜の木が植えられているので、春に訪れたい神社のひとつです。
春の桜以外は見どころがないように思ってしまいますが、平野神社の境内には興味深い建物がいくつか建っているので、春以外の季節に訪れても損はしません。
興味深い建物の一つ目は、本殿です。
上の写真を見るとわかりますが、横に長い本殿となっています。
平野神社の本殿は、第一殿から第四殿までの4つの建物で構成されています。
そして、第一殿と第二殿、第三殿と第四殿を結んで2つに分け、さらにその間に横棟を渡して合いの間を造り、三間に見えるようにしています。
この本殿の造りは、平野造と呼ばれています。
複数の建物が合わさってひとつとなっている建物は本殿だけではありません。
その脇に建っている末社も4つの社殿からなっています。
この末社は、左から以下の4つの社から構成されています。
- 春日社=言霊守護(ことだまのまもり)
- 住吉社=和歌守護
- 蛭子社=水子供養
- 鈿女社(うづめしゃ)=芸能守護
境内を一通り観た後は、南門から神社を出ましょう。
この南門は、慶安4年(1651年)に京都御所から下賜されたもので、当初は現在の東鳥居にありましたが、昭和17年(1942年)に境内の南に移されました。
南門は、他の入り口よりも目立たない所に建っているので、あまり意識せずに通り過ぎてしまいそうになりますが、意外と由緒ある建物なんですね。
以上、金閣寺の拝観後に気軽に訪れることができる2つの神社を紹介しましたが、平野神社の南東には北野天満宮もありますので、時間に余裕がある方は、そちらにも参拝してもいいですね。