冬が続く善法律寺・2025年

2月下旬に京都府八幡市の神應寺に参拝した後、南に約10分歩き、善法律寺(ぜんぽうりつじ)を訪れました。

善法律寺は、紅葉寺として知られており、晩秋には紅葉を見に参拝する人の姿をよく見ますが、それ以外の季節はほとんど人がいません。

善法律寺には、何度も参拝していますが、2月に訪れることはなかった気がします。

門前のサザンカ

善法律寺には、京阪電車の石清水八幡宮駅から南に約10分歩くと到着します。

入り口では、背が高い壁のようなサザンカの木に赤色の花がたくさん咲いていました。

入り口のサザンカ

入り口のサザンカ

善法律寺と刻まれた石碑の近くに植えられているサザンカも、花がいっぱい。

石碑とサザンカ

石碑とサザンカ

山門をくぐって境内へ。

参道

参道

石畳の参道と緑色のコケが、よく調和しています。

紅葉寺ということで、カエデがたくさん植えられている境内は、冬は見晴らしが良いですね。

境内

境内

カエデに若葉が付き始めるのは、4月上旬ですから、それまでは境内全体に日差しが入り、明るく感じられます。

それでは、本堂にお参りをしましょう。

本堂

本堂

本堂は寛永16年(1639年)頃の建立で、八幡大菩薩を祀っています。

神仏習合の数少ない建造物とのこと。

池の中央には、弁財天を祀る小さな祠。

弁財天

弁財天

巳年の今年は、ヘビを神使とする弁財天を拝んでおけば良いことがありそうです。

境内の墓塔など

池の近くにある大西坊墓塔。

大西坊墓塔

大西坊墓塔

大西坊は、男山四十八坊の坊舎の一つで、墓塔は、覺運、運應、覚助のものです。

覺運は、忠臣蔵でおなじみの大石内蔵助の叔父である小山良師(おやまよしもろ)の末子で、大石内蔵助の養子となっています。

後に大石内蔵助の実弟の専貞の跡を継ぎ、大西坊の住職についています。

赤穂浪士の討ち入りに助力し、衰退していた大西坊の復興も行い、その中興の祖とされています。

運應と覚助は、覺運の弟子です。

大西坊墓塔の右隣には、大乗院五輪が置かれています。

大乗院五輪

大乗院五輪

八幡の律家五ヶ寺の一つである大乗院にあったのですが、明治維新の戊辰戦争(1868年)で大乗院が焼失したため、善法律寺に祀られるようになりました。

その造形から鎌倉時代のものと考えられています。

大乗院五輪の右隣には、仲良く4体の石仏が並んでいます。

石仏

石仏

こちらの慰霊塔は、旧八幡小学校児童慰霊碑です。

慰霊塔

慰霊塔

昭和9年(1934年)の室戸台風で亡くなった八幡尋常高等小学校の校長、教師、児童32名を慰霊するために建立されました。

慰霊碑の上にお地蔵さまが祀られるようになってから子守地蔵尊と呼ばれるようになったそうです。

令和3年(2021年)に国土地理院の自然災害伝承碑に登録されています。

冬以外の季節は、カエデの葉に包まれ、慰霊塔が見えづらくなっていますが、冬は全体がよく見えますね。

八幡市は、桂川、宇治川、木津川が合流し淀川となる三川合流地点になっていますから、大規模な風水害が発生すると、周辺の民家が水没する危険があります。

昨今の気候変動で、大雨が降ることが増えてきていますから、防災を心がけなければなりませんね。

そろそろ善法律寺から出ることに。

境内は、まだ冬が続いていましたよ。

この後は、正法寺に参拝します。

なお、善法律寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。