6月15日。
京都市東山区の智積院(ちしゃくいん)に参拝しました。
6月15日は真言宗の宗祖である弘法大師空海が誕生した日。
また、中興の祖である興行大師覚鑁(こうぎょうだいしかくばん)の誕生日は6月17日。
ということで、真言宗智山派の総本山である智積院では、毎年6月15日に青葉まつりが行われ、お二人の産まれた日をお祝いています。
キキョウが咲き始めた参道
智積院には、京阪電車の七条駅から東に約8分歩くと到着します。
市バス停「東山七条」で下車すればすぐです。
智積院の入り口にやって来ると、「青葉まつり」と記された看板が参拝者を出迎えていました。
その近くには紅白の幕がかかったテントが立ち、こちらで青葉まつりの案内を一部いただきます。

入口
参道わきでは、早いもので、キキョウが青色の花を咲かし始めていました。

キキョウ
今年のキキョウは、例年より花が一回り以上大きい。
植える品種を変えたのか、それともキキョウの育て方を工夫したのか。
理由はわかりませんが、例年より、花が元気で茎もまっすぐ。
智積院のキキョウは、9月上旬から中旬まで咲き続けますから、これからもっと参道を華やかに装いますよ。
柴燈護摩
私が智積院に到着したのは、午前10時50分頃。
午前11時から柴燈護摩(さいとうごま)が行われるので、金堂の斜め前に設けられた柴燈護摩道場に向かいます。
開始10分前なので、さすがに道場の周囲は人でいっぱい。
逆光を嫌い、道場の南西角へ。
ここなら、桜とカエデが木陰を作り、涼しく観覧できそう。
道場の東端にはお供えが並んだ祭壇が設けられ、中央には護摩、そして、西には鹿の革らしき平べったいじゅうたんのようなものが敷かれる。
マイクを通して流れる柴燈護摩の説明を聞きながら道場を見回し、始まりを待っていると、太鼓と鉦が鳴り出しました。
道場に隣接する参道に並んでいた山伏たちがブオーと法螺貝を吹き、一斉に動き始める。

山伏の登場
数十人の山伏が順番に道場へ。
先頭を歩くのは総奉行。
山伏たちの後からは、橙色の僧衣をまとった偉いお坊さんが、赤色の傘の下を進む。

偉いお坊さんの登場
山伏たちが所定の場所に着いた後、祭壇の前で般若心経が唱えられたり、法螺貝を掲げたりと仏事が進行していきます。
護摩の前では、山伏が大きな斧を振る場面も。

斧を振る山伏
道場の周囲を清めるため、山伏が四隅に立ち、天に向かって矢を射る。

矢を射る山伏
最後に護摩に向かって矢を放つのですが、どうやら貫通したよう。
突き抜けた矢は拾われ、護摩の中央にブスっと刺される。
山伏が道場の中央に進む際、「○○そうらへ」と呼ばれると「××そうろう」と大きな声で返す。
その言葉に強い意気込みが感じられ、青葉まつりでの柴燈護摩が特別な行事であることを実感します。
中央に進んだ山伏が短刀を抜き、数回、宙を切る。

刀を振る山伏
刀の振り方は、滑らかではなく、見えない何かを切っているような、かくかくとした所作。
見ているだけでこちらも力が入る。
続いて登場した山伏は、西側の鹿の革らしきものに座り、前に置かれた石に扇を開いて置き、その上に2本の木でできた筒を並べます。

祈る山伏
そして、筒を左右の手で取り、拍子木のようにカチンと鳴らす。
この後、偉いお坊さんが、祭壇に向かって祈りをささげた後、振り返り護摩の前へ進みます。
2人の山伏が、すでに松明に火を点じ、いつでも護摩に点火できる態勢で待つ。
護摩に火が点くと、たちまち白い煙が昇天。
大うちわを持った山伏が仰ぐと道場一帯が真っ白になり、5メートル先も見えなくなりました。

大うちわで煙を仰ぐ山伏
体にも煙がまとわりつき、全身が焦げ臭くなる。
しかし、これを迷惑がってはいけない。
山伏たちは護摩木を火に投げ入れながら、社運隆昌、家内安全、除災招福など、様々な祈願をし、参拝者はそれらのご利益を授かれます。
とは言え、むせるは、目が染みるはで、道場を見るのがきつい。
正午になろうかとする頃、青々としていた護摩は完全に燃えつき、炎に巻かれた木組みが黒く残るだけとなる。

炎が小さくなっていく
道場の周囲で柴燈護摩を見ていた参拝者たちも、次々に去り始める。
残っている参拝者は、山伏にバッグなどの手荷物を渡していました。
何をしているのかと思って見ていたら、手荷物は護摩の炎にかざされた後、再び参拝者に戻ってきます。
どうやら、残り火で手荷物を浄めるとご利益を授かれるみたい。
それならと、私も山伏にバッグを預け、炎で浄めてもらうことに。
バッグは、ほんの数秒かざしただけなのに体温よりはるかに熱い。
山伏の顔を見ると、頬が赤くなっていたので、道場内は何の修行もしていない者が入れないほどの熱気に包まれていたことがわかります。
帰宅した後も、体はずっと焦げ臭かったですが、きっと邪鬼が祓われ、たくさんのご利益が入ってきたはず。
帰りの電車では、自分だけ火事場から逃げて来たような匂いを放っていたので、周囲の人に迷惑をかけたかもしれませんが。
柴燈護摩の後は、火渡り行が始まります。