今熊野観音寺で見る新緑・2021年

4月初旬。

京都市東山区の今熊野観音寺に参拝しました。

今熊野観音寺は、西国三十三所観音霊場の第十五番札所となっており、時折、観光バスに乗って大勢の方が参拝にやってきますね。

当寺は、紅葉の名所としても知られていることから、春の新緑もきれいです。

新緑とツツジ

今熊野観音寺の最寄り駅は、JR、京阪電車とも東福寺駅です。

駅からは、東に15分ほど歩き、泉山(せんざん)に入って少し進むと、今熊野観音寺へと続く鳥居橋に到着します。

鳥居橋と新緑

鳥居橋と新緑

鳥居橋の近くのカエデの若葉が美しい黄緑色をしています。

近くでは、桜も咲いていました。

今熊野川に架かる鳥居橋を渡ります。

まっすぐ進んで行くと、今熊野観音寺の講堂が建っており、さらに進むと子まもり大師がいらっしゃいます。

子まもり大師

子まもり大師

子供たちの健康や学業成就などを祈願しておきましょう。

子まもり大師の後ろの石段を上ると、正面に本堂が建っています。

本堂

本堂

それでは、本堂にお参りをしましょう。

今熊野観音寺は、空海が、熊野権現(くまのごんげん)から授かった一寸八分の観音像を体内仏として、自ら刻んだ十一面観音像を草堂に安置したのが始まりと伝えられています。

また、斉衡年間(854-857年)に藤原緒嗣(ふじわらのおつぐ)が伽藍を造営したとも伝えられています。

そして、平安時代末に熊野詣を繰り返した後白河法皇が、新那智山の山号と今熊野観音寺の寺号を与えました。

後白河法皇は、当寺の本尊の霊験によって頭痛が治ったことから、頭痛、中風封じの観音としても信仰されています。

本堂の裏では、ツツジが咲いていました。

ツツジ

ツツジ

ミツバツツジでしょうか。

境内には桜も植えられていますが、ほとんどが散り、初夏の景色に変わりつつあります。

本堂の東側に建つ大師堂。

大師堂

大師堂

大師堂の近くには、ぼけ封じ観音も祀られていますよ。

本堂の東の山に登ります。

それほど高い山ではなく、5分ほどで登れます。

山の上でもツツジが咲いていました。

ツツジと医聖堂

ツツジと医聖堂

奥に見える朱色の多宝塔は、医聖堂です。

平成28年(2016年)に丹塗りの塗り替えが行われたばかりなので、朱色がとてもきれいです。

先ほどの大師堂の近くには、稲荷社と熊野権現社が建っています。

どちらも今熊野観音寺の鎮守社です。

稲荷社(左)と熊野権現社(右)

稲荷社(左)と熊野権現社(右)

コケの緑も美しいですね。

鐘楼の近くのカエデの新緑。

新緑と鐘楼

新緑と鐘楼

カエデには、小さな赤色の花も咲いています。

鐘楼の梵鐘は、太平洋戦争で供出されましたが、その後、無事に当寺に戻されました。

五智水がたまった手水鉢。

手水鉢

手水鉢

空海が観音像を祀る霊地を探していた時、錫杖をもって岩根をうがつと霊泉が湧き出しました。

この清涼な清水は観音御利生の水として崇められ五智水と名付けられます。

今も、五智水は湧き出しており、井戸は五智の井と呼ばれています。

本堂の前の石段を下り、子まもり大師の近くに戻ってきました。

ここから見上げる新緑もきれいでした。

新緑とお茶所

新緑とお茶所

私が今熊野観音寺を訪れた日は、ほとんど人がいませんでした。

西国三十三所観音霊場巡りのお遍路さんもおらず、境内は静寂に包まれていましたよ。

今年の京都は、3月下旬からカエデが葉を付けだしており、例年よりも早く新緑の季節が訪れています。

この後は、智積院に桜を見に行きました。

なお、今熊野観音寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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