七福神めぐりの起源

京都には様々な七福神めぐりがあります。

七福神めぐりは、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、恵比寿神、寿老人、布袋尊が祀られている寺社に参拝し、財運や開運といった幸せを願うという信仰です。

七福神信仰が始まったのは、室町時代といわれています。

では、七福神めぐりの起源はいつごろだったのでしょうか。

ちょっと気になったので調べてみました。

江戸時代後期に始まった隅田川七福神めぐり

室町時代から始まった七福神信仰は、江戸時代になると庶民の間で広まり、正月2日に七福神が乗った宝船の絵を枕の下に敷いて寝る習慣が作られました。

でも、この時には、まだ七福神が祀られている寺社をめぐるということは行われていなかったようです。

七福神めぐりが最初に行われたのは、江戸時代後期の文化年間(1804-1817年)のことで、江戸の隅田川七福神めぐりが起源だそうです。

ある時、向島の佐原家の庭園に太田蜀山人(おおたしょくさんじん)らが招かれました。

太田蜀山人は、狂歌の作者として知られていますね。

この時、佐原家の庭園に福禄寿の像が祀られていることを招かれた客たちが知ります。

そこで、福禄寿以外の七福神も、もしかしたら近くに祀られているかもしれしれないから、それらを探して巡拝してみようということになりました。

そして、墨田川の東岸の七福神が祀られている寺社を挙げていったところ、恵比寿神と大黒天は三囲神社(みめぐりじんじゃ)、毘沙門天は多聞寺、寿老人は白髪神社、布袋尊は弘福寺、弁財天は長命寺に祀られていることがわかり、佐原家の庭園(現在の向島百花園)の福禄寿とあわせて、隅田川七福神めぐりが誕生しました。

この隅田川七福神めぐりが人々に広まり、やがて、様々な七福神めぐりが各地で行われるようになりました。

京都の七福神めぐり

京都にも七福神めぐりはたくさんありますね。

思いつくところでは、都七福神めぐり、天龍寺七福神めぐり、泉山(せんざん)七福神めぐり、京の七福神めぐり、京都七福神めぐり、京洛七福神めぐりなどがあります。

この中だと、都七福神めぐりが割と有名ですね。

ちなみに都七福神めぐりは、恵比寿神が東山区の恵美須神社、大黒天が左京区の松ヶ崎大黒天、毘沙門天が南区の東寺、弁財天が東山区の六波羅蜜寺、福禄寿が左京区の赤山禅院、寿老人が中京区の行願寺、布袋尊が宇治市の萬福寺となっています。

いろいろなところに散らばっているので、1日で巡るのは難しいですね。

東寺の毘沙門堂

東寺の毘沙門堂

天龍寺七福神めぐりや泉山七福神めぐりだと、七福神が密集しているので、1日で巡拝することが可能です。

自分で勝手に七福神めぐりをするのもあり?

七福神めぐりの発祥からすると、自分で探した七福神が祀られている寺社に巡拝するのもありなのではないかと思いますね。

この場合は、ご朱印をそろえることはできないでしょうが、自分で選んで巡ると楽しそうです。

例えば近畿七福神めぐりというのはどうでしょうか。

近畿2府4県に三重県も加えた計7府県に七福神を巡拝するというものです。

恵比寿神は大阪府の今宮戎神社がいいですね。

弁財天は、琵琶湖の竹生島弁財天でしょう。

それ以外は、ちょっと思いつきませんが、調べてみれば、必ず各府県に七福神は祀られているはずです。

1週間かけて旅行してみると楽しいそうですが、そんなに時間をとるのは、ちょっと難しいですね。

参考文献