龍吟庵の3つの枯山水庭園を鑑賞

3月18日まで行われている2012年の「京の冬の旅」の特別公開。

辰年ということで、龍と関係あるお寺が特別公開の対象となっています。

京都市東山区の東福寺にある龍吟庵(りょうぎんあん)もその名に「龍」が入っていることから、2月29日まで特別公開が行われています。

ということで、2月上旬に龍吟庵に行ってきました。

雪に煙る偃月橋

龍吟庵の最寄駅は、JR東福寺駅または京阪東福寺駅です。

私はひとつ手前の京阪鳥羽街道駅で電車から降りて龍吟庵に向かうことに。

電車に乗っているときは、雪が降っていたのですが、駅に到着すると良いタイミングで降り止んでいました。

しかし、龍吟庵に歩いて向かう途中からまた雪が降り始め、入口の偃月橋(えんげつきょう)に着いた時には煙るほどの降雪。

偃月橋

偃月橋

傘を持っていなかったのでコートは雪で真っ白。

橋を渡りながら雪を手で払い、何とかコートから落とすことができました。

偃月橋を渡る

偃月橋を渡る

偃月橋を渡りきると龍吟庵の特別公開の案内板が立っています。

その奥の階段を上りきったところが拝観受付となっています。

拝観受付へ

拝観受付へ

拝観料600円を納めて方丈へ。

方丈の入口

方丈の入口

建物内は庭園も含めて写真撮影は禁止です。

なお、今回の特別公開は京都市観光協会が主催のため写真撮影が禁止となっていますが、東福寺主催の時は庭園の写真撮影はできるそうです。

重森三玲作の3つの庭園

ここからは、文章のみでの紹介となります。

方丈

龍吟庵は、鎌倉時代に東福寺第3世住持の無関普門(むかんふもん/大明国師)が創建しました。

方丈は、日本最古の建築物で、扁額の「龍吟庵」の字は足利義満が書いたものです。色があせていましたが、輪郭がくっきりと残っているので字は読めます。

部屋は、周囲に畳が敷かれていて、それ以外は床がむき出しの状態です。奥に大明国師の画像が掛けられていました。

南庭

方丈の正面には、白砂が敷き詰められただけの南庭が配されています。

龍吟庵の庭園は3つあり、それらは昭和の作庭家の重森三玲(しげもりみれい)が造ったものです。

南庭は、一木一草も用いない簡素な庭園であることから「無の庭」とも呼ばれています。

決して、砂利が敷かれた駐車場ではありません。

西庭

3つの庭園で最も見ごたえがあるのが西庭です。

庭の中央に3つの石が置かれています。

ガイドの方の話によると、これらは、龍の頭が海から出ている姿を現していて、その周囲に置かれている緑色の石は、龍がトグロを巻いている姿を表現しているそうです。

また、雲は白砂と黒砂を使い、稲妻は竹垣を使って表現されています。

なお、西庭は、龍の庭とも呼ばれています。

拝観受付の前の看板に西庭が掲載されていたので、写真を撮っておきました。

龍の庭

龍の庭

東庭

3つ目の庭は東庭です。

東庭は、赤い砂が敷き詰められており、その上に北斗七星のように石が組まれています。

でも、実際には北斗七星とは関係ありません。

中央に置かれた細い石は、赤ちゃんの時に捨てられた大明国師を現しています。

捨てられた大明国師は、オオカミに襲われそうになりましたが、2頭の犬が国師を守り、ずっとそばを離れなかったという伝説が残っています。

東庭はこの時の情景を表現したもので、細い石の前後に置かれた2つの石は2頭の犬を、周囲の石は国師に襲いかかろうとしているオオカミを現しています。

ちなみに赤い砂が敷かれているのは、昔を回想していることを表現しているそうです。

なお、東庭は、2頭の犬が国師から離れなかったことから「不離の庭」と呼ばれています。

ここまでガイドの方の解説を聞きながら方丈をぐるっと1周するような形で拝観してきました。

拝観後は、雪が止んでいました。

方丈の入口付近で、来るときには気づかなかった赤い万両の実を発見。

万両

万両

最後の写真はおまけの1枚です。

雪に煙る東福寺の三門です。

東福寺の三門

東福寺の三門

なお、龍吟庵の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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