2011年9月末まで、夏の京都観光を盛り上げるために行われている「京の夏の旅」キャンペーン。
このキャンペーンでは、普段見ることができない文化財の特別公開が行われています。
特別公開のひとつとなっている京都市左京区の大寧軒を拝観してきたので、今回の記事では、その模様をお伝えします。
鳥居、灯籠、滝などが配された池泉回遊式庭園
大寧軒は、地下鉄蹴上駅から東に5分ほど歩くと到着します。
入り口から拝観受付へと進み、拝観料600円を納めて庭園に入ります。
大寧軒は、南禅寺の塔頭(たっちゅう)の大寧院の跡地に造られた池泉回遊式庭園です。
なので、庭園の中心となるのは池で、その周囲を歩きながら、散策することになります。
池のほとりには、「環翠庵」と呼ばれる茶室が建っています。
その前には、大きな石が置かれています。
ガイドの方が色々と大寧軒のことを解説してくれたのですが、その中で、庭園に置かれている石は、計画的に配置されたものではなく、無造作に置かれているとおっしゃっていました。
茶室の前の大きな石も無造作に置かれたものなのでしょうか。
池の中や周囲には、様々な建造物があります。
石でできた五重塔もそのひとつです。
建造物の中で、特徴的なのが、下の写真に写っている三柱鳥居です。
この鳥居は、上から見ると正三角形になっています。
同様の鳥居は、右京区の蚕ノ社(かいこのやしろ)にもあります。
大寧軒の三柱鳥居は、蚕ノ社の鳥居を模したものだとか。
庭園の端には、石を9つ積み重ねたような玄武岩という岩が立っています。
玄武岩は、兵庫県の城崎にある天然記念物の玄武洞の柱状列石を運びこんだものです。
ガイドの方の話によると、100万年以上前の火山爆発でできたものだそうです。
庭園の池の水は、琵琶湖疎水から引き込んだもので、3メートルの滝から注ぎこまれています。
また、池の周囲には、変わった形の灯籠がいくつか置かれています。
三日月形の穴が開いた灯籠は、あまり見かけませんね。
傘の広い雪見灯籠も、それほどよく見かけるものではありません。
庭園に植えられている木は、いろいろありましたが、カエデが比較的多く植えられていました。
秋に訪れると、見事な紅葉を観賞できるのでしょうが、その時期に特別公開されるのかどうかはわかりません。
「京都人ブログ」さんの南禅寺大寧軒・・・非公開庭園と紅葉2005の記事で、大寧軒の紅葉の写真が掲載されていますので、秋に特別公開されたことはあるみたいですね。
2012年2月17日追記:上記ブログは閉鎖しています。
借景として庭園に取り込まれた大日山の姿も雄大でした。
ただ庭園の木が多いので、大日山の全景を見るのは難しいですね。
なお、大寧軒の詳細については以下のページを参考にしてみてください。