春の始めに石像がいっぱいの雙林寺に参拝・2024年

3月中旬に京都市東山区の清水寺に梅を見に行った後、北に15分ほど歩き、雙林寺(そうりんじ)に参拝しました。

雙林寺は、旅行者や観光客が多い東山にありながら、人がほとんどいません。

わかりにくい場所にあることがその理由だと思います。

そもそも、雙林寺というお寺を知っている人も、ほとんどいないでしょうね。

境内に置かれた石像

清水寺から、産寧坂と二年坂を北に進み、ねねの道を大雲院で東に曲がって、山に向かって歩いていくと、左手に赤色ののぼりが数本立っている場所に到着します。

ここが、雙林寺の入り口です。

京阪電車の祇園四条駅からだと、南東に徒歩約20分ですね。

入り口

入り口

雙林寺の隣には、石材店があり、参道わきにお墓の石材がたくさん並んでいます。

お墓の石材

お墓の石材

参道の東側はコケが生えており、その上にたくさんの石像が置かれていますよ。

こちらは、伝教大師童形像です。

伝教大師童形像

伝教大師童形像

この像は、昭和28年(1953年)から、二条城の北側の少年補導所の前庭に安置されていましたが、平成22年(2010年)に補導所がビルに入ることになり、縁あって雙林寺に移されました。

近くの説明書によると、少年補導所の初代所長である本庄氏は、伝教大師最澄の遺言の一説に感銘を受け、この像を作ったそうです。

説明書には、以下の傳教大師遺訓が記されていました。

私は生まれてこの方、子供を打ったこともなく、子供に荒々しい言葉を使ったこともない、子供の人権を尊重し、立派に育ててくれる人を見ると、恩人だと思う、努力めよ努力めよ

雙林寺は、延暦年間(782-805年)に尾張連定鑑定(おわりのむらじじょうかん)が、伝教大師を開基として創建したのが始まりと伝えられています。

伝教大師童形像が、当寺に移って来たのは、その縁によるものなんですね。

コケの庭には、他にも多くの石像が置かれていますよ。

苔の庭の石像

苔の庭の石像

笑顔がすてきな布袋さま。

布袋尊

布袋尊

これから旅に出ようとしていかのような笠を背負ったタヌキもいますね。

タヌキ

タヌキ

参道の奥に建つ本堂にお参りをしましょう。

本堂

本堂

現在の雙林寺は、境内が狭いですが、かつては多くの塔頭子院(たっちゅうしいん)を有していたそうです。

その後、中世に衰退したのを応永年間(1394-1427年)に国阿(こくあ)上人が再興して、時宗一派の本山となり東山道場と称しました。

ところが、応仁の乱(1467年)で再び衰え、明治の中頃に円山公園が設置された際に多くの寺地を失い、現在は本堂を残す程度になっています。

ちなみに雙林寺は、明治維新の時に天台宗に改宗しています。

本堂の右前にも、小さな布袋さまがいらっしゃいますよ。

本堂前の布袋尊

本堂前の布袋尊

そして、本堂の左前には、お不動さまも。

本堂前の不動明王

本堂前の不動明王

コケの上には、ちょこんとウサギの像も置かれていました。

ウサギ

ウサギ

本堂にお参りを済ませたので、そろそろ雙林寺から出ましょう。

私が境内にいる間、参拝者は誰も訪れませんでした。

この後は、大谷祖廟に参拝します。

なお、雙林寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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