7月5日。
四条烏丸の長刀鉾町の会所で、長刀鉾町稚児舞披露(なぎなたほこちょうちごまいひろう)が行われました。
長刀鉾町稚児舞披露は、祇園祭の行事のひとつで、山鉾巡行で長刀鉾に乗る稚児が四条通に向かって太平の舞を披露します。
ということで、長刀鉾町稚児舞披露を見に行ってきました。
会所の2階で披露される太平の舞
長刀鉾町の会所は、地下鉄四条駅または阪急烏丸駅を出て、四条烏丸の交差点を東に2分ほど歩いた辺りにあります。
長刀鉾町稚児舞披露は、午後3時30分頃から始まる予定だったので、その約15分前に会所の前にやってきました。
すると、すでに会所の前に多くの人だかりができており、会所の2階ではお稚児さんと禿(かむろ)が待機していました。
どうやら、予定よりも早くに長刀鉾町稚児舞披露が始まったようです。
微動だにしないお稚児さんと禿。
7月5日は、長刀鉾町の切符入の日です。
稚児は、長刀鉾町と養子縁組をして鉾町の子供となります。
かつては、他の鉾町にも稚児がいたのですが、現在は人形となっており、生稚児(いきちご)が祇園祭に参加するのは、長刀鉾町だけです。
稚児は、理髪の儀で襟足を「うろこ」と呼ばれる三角に剃りあげられます。
そして、会所で町役員に太平の舞を見せて、チェックを受けた後、会所の2階から四条通に向かって太平の舞を披露します。
窓から体を乗り出す太平の舞は、稚児の父親、祖父、稚児係によって体が支えられます。
白塗りの化粧をした稚児の頭の上には、クジャクの羽根を飾った蝶とんぼの冠が載っています。
太平の舞は、何度も何度も繰り返されます。
お稚児さんも大変でしょうが、体を支える人たちも相当な労力なのではないでしょうか。
右に左に太平の舞を披露すると、お稚児さんは静止します。
お稚児さんの左右にいるのは、禿(かむろ)と呼ばれる子供たちです。
しばらく静止した後、再び、太平の舞が行われます。
そして、また静止します。
太平の舞と静止は何度も繰り返されます。
会所の下には、大勢の見物客の姿。
午後3時40分頃になり、長刀鉾町稚児舞披露が終了しました。
お稚児さんと禿は、後ろに下がっていきます。
囃子方が奏でる音色は、その後もしばらく続き、ゆっくりと終わっていきました。
太平の舞は、7月12日の長刀鉾の曳き初めや17日の山鉾巡行でも見ることができますよ。
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