磐座から神秘的な雰囲気が漂う山住神社

京都市左京区の岩倉を散策しているとき、山住神社という古社を訪れました。

私は、京都の神社にたくさん訪れていますが、その中でも山住神社は、独特の雰囲気を持っています。

なんと言うのか、自然の中に神々が宿っているような、そんな印象を受けます。

ほとんど何もない境内

山住神社は、叡山電車の岩倉駅から北西に10分ほど歩いたあたりに建っています。

神社の前に到着すると、他の神社と同じように鳥居が建っています。

そこから覗くように境内を見たのですが、中には、ほとんど何もないようです。

鳥居

鳥居

境内に入ると、石段があり、その上に屋根だけがある社殿がひとつ建っていました。

社殿

社殿

これを社殿と言っていいのかどうか、わかりませんが、建築物らしきものは、これくらいしか見当たりませんね。

神社の説明書によれば、「三代実録」陽成天皇元慶4年(880年)の項に「山城国正六位石座神授従五位下」と記されているそうです。

なので、それ以前から山住神社はあったということですね。

千年以上の歴史のある古社ですから、京都でも、古い部類に入ります。

古代の人々は、山住神社の後ろにそびえたつ山を神南備山(かむなびさん)と仰ぐ巨石を神々の降臨する磐座(いわくら)と崇めていたそうです。

当社はその遺跡とのこと。

科学が発達していなかった古代では、人々が、今よりも自然に対する畏敬の念を持っていたんでしょうね。

自然災害が起こった時には、神の怒りだと考えたのかもしれません。

天変地異を鎮めるために、きっと山住神社の磐座にお参りしていたのでしょう。

石段下にロープが張ってあることから、石段の上に行くことができません。

なので、石段下からカメラのズームを使って、石段上の奥を見ることに。

すると、小さな祠がありました。

小さな祠

小さな祠

そして、祠の上には、巨石も祀られています。

何やら神秘的な雰囲気を感じます。

この地に神々が宿っているような、不思議な感覚。

正面からは、磐座がよく見えないので、境内の脇から山の上を見ることに。

すると、磐座がはっきりと見えました。

磐座

磐座

とても大きな石です。

石というよりも岩といった方がよさそうです。

最初からこの地にどっしりと鎮座していたのなら、古代の人々が、この巨石に神が宿っていると考えても不思議ではないですね。

さらに説明書を読んでみると、天禄2年(971年)にこの地に鎮座の石座明神が、大雲寺の鎮守の神となったとのこと。

その鎮守の神は、上蔵町にある石座神社(いわくらじんじゃ)のことで、以降、この地にある古社は、山住の神と号し、石座神社の御旅所となったそうです。

私が訪れた時は、誰も境内にはいませんでした。

これだけ神々しい神社ですから、パワースポットとして有名になっても良さそうなんですけどね。

でも、山住神社にたくさんの人が押し寄せると、神秘的な雰囲気を味わえなくなるので、今のままひっそりとしていた方が良さそうです。

なお、山住神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。