雲龍院で双龍風雷図を鑑賞

2012年の「京の冬の旅」で初公開となった雲龍院。

3月18日まで、干支が辰ということから、寺名に「龍」の文字が入る雲龍院で、普段、見ることができない寺宝が特別公開されています。

この機会を逃すと、次はいつ鑑賞できるかわかりません。

というわけで、雲龍院の特別公開に行ってきましたので、今回はその模様をお伝えします。

龍華殿の双龍風雷図

JR東福寺駅から東に15分ほど歩くと、「御寺泉涌寺」と書かれた門に到着します。

ここから先は泉涌寺の境内となっています。

門をくぐり、さらに5分ほど歩いて行くと、雲龍院の入口が現れます。

入口

入口

このお寺は、京都市東山区の泉涌寺(せんにゅうじ)の中にある別格本山で、南北朝時代に北朝の後光厳天皇(ごこうごんてんのう)が創建しました。

門をくぐり、玄関へと進み、ここで拝観料600円を納めて建物内に入ります。

最初に向かうのは、本堂の龍華殿(りゅうげでん)です。

下の写真は、塀越しに見た龍華殿です。屋根はこけら葺きとなっています。

塀越しの龍華殿

塀越しの龍華殿

龍華殿内の中央には、本尊の薬師如来三尊像が祀られています。

そして、その後ろには、水墨画家の堂野夢酔氏が2010年に奉納した襖絵「双龍風雷図」が展示されています。

こういった特別公開では、建物内の写真撮影が禁止されていることが多いのですが、今回は、最近の絵ということもあり、双龍風雷図の撮影が許可されていました。

なので、私も数枚撮らせていただきました。

下の写真は、襖絵の右側の部分です。右端に雷神が描かれています。

双龍風雷図(右)

双龍風雷図(右)

左側の龍は迫力のある表情をしていますね。左端に描かれているのは風神です。

双龍風雷図(左)

双龍風雷図(左)

上の2枚の写真の中央に薬師如来三尊像が祀られています。こちらは写真撮影禁止です。

冬の庭園

龍華殿でお参りを済ませた後は、霊明殿へ向かいます。

霊明殿の前には白砂の庭園があり、枝垂桜が1本植えられています。

ガイドの方の話によると、この桜は、江戸幕府15代将軍の徳川慶喜が寄進したもので、慶喜桜と呼ばれているそうです。

冬なので、さすがに花は咲いていませんでした。

ちなみに桜のそばにある石灯籠も徳川慶喜が寄進したものです。

2012年2月24日追記:枝垂桜は2009年秋に植えられたもので、徳川慶喜寄進の石灯籠に沿うように植えられた姿を鑑み、慶喜桜と名付けられました。

霊明殿

霊明殿

霊明殿は、皇族の位牌堂で、明治元年(1868年)に建立されました。

中には、後光厳天皇、後円融天皇などの尊牌が奉安されています。

そして、今回の特別公開では、霊明殿内で後小松天皇の肖像画も見ることができました。

霊明殿の拝観後は中庭へ。

冬ということもあってか、障子が閉め切られており、下側の窓から中庭を鑑賞するようになっていました

部屋から見た中庭

部屋から見た中庭

このお部屋には、忠臣蔵でおなじみの大石内蔵助(おおいしくらのすけ)が書いた「龍淵」の書やなぞなぞが書かれた書なども展示されていました。

場所を変えて、中庭全体を鑑賞。

中庭

中庭

写真左側の枝だけとなった木はカエデです。

秋になると真っ赤なモミジを見ることができます。以前にテレビでも紹介されていましたね。

悟りの窓と迷いの窓

庭園を鑑賞した後は、悟りの間へ。

ここには、円窓の「悟りの窓」と角窓の「迷いの窓」から庭園を観ることができます。

悟りの窓の前には椅子が置かれています。

そこに腰かけるのが、一番きれいに庭園を観ることができるとのこと。

下の写真は、その椅子の前から撮影した悟りの窓です。窓から見えている木は紅梅です。2月中旬に訪れたのですが、まだ開花していませんでした。

悟りの窓

悟りの窓

迷いの窓越しに見えるのはシャクナゲです。こちらは5月の連休に見ごろを迎えるそうです。

迷いの窓

迷いの窓

悟りの窓と迷いの窓と言えば、京都市北区の鷹峯に建つ源光庵にも同じものがあります。

こちらについては、以下の過去記事で紹介していますので、ご覧になってください。

悟りの間の隣の部屋に「だまし絵」が展示されていました。

だまし絵

だまし絵

絵をちょうど半分に折ったような感じで、真ん中に織り目が入っています。

中央の鐘突き棒をじっと見たまま、体を右から左に動かすと、不思議なことに鐘突き棒も右から左に動いているように見えます。

説明書には、108回突くように書いてありましたが、そんなに体を左右に動かすと酔ってしまいますね。

最後は、走り大黒天にお参りです。

雲龍院の大黒さまは、とても怖い顔をしています。

拝観案内によると、この大黒さまは、怒れる神の面影を残した鎌倉時代の作だそうです。

ちなみに雲龍院は、泉山(せんざん)七福神めぐりの大黒天にあたります。泉涌寺の境内で七福神めぐりができるので、雲龍院に訪れた時は、七福神の他のお寺にもお参りしてみてはいかがでしょうか。

なお、雲龍院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

宿泊

コメント

  1. 匿名 より: