前回の記事の城南宮に続き今回も鳥羽にある名所旧跡の紹介です。
今回紹介するのは、地下鉄竹田駅から南西に5分程度歩いた場所にある安楽壽院です。
安楽壽院はどんなところにあるのか?
安楽壽院は、白河天皇が応徳3年(1086年)から造営に着手した鳥羽離宮の東殿に建立された寺院です。安楽壽院は鳥羽離宮の造営着手から約50年後に鳥羽上皇によって建立されました。
安楽壽院の由緒については下記ページを参考にしてください。
鳥羽離宮は、白河天皇が退位後の御所としてつくったもので、上皇となり院政の舞台になったところです。そのため、鳥羽離宮には上皇が住むための寝殿が建てられたのですが、それとともに上皇の御願により寺院も建てられました。
例えば、白河上皇の御願で創建された証金剛院、鳥羽上皇の御願で創建された成菩提院などがあります。
これら寝殿がある場所は、鳥羽離宮の北殿や南殿と呼ばれたところで、安楽壽院がある東殿は少し趣が違っています。
東殿には、3基の三重塔と1基の多宝塔が建立され、白河上皇、鳥羽上皇、近衛天皇の御陵となっています。
つまり、東殿は、鳥羽離宮内に現世の極楽浄土を築きあげたところだったのです。
今となっては、東殿があった地域は、車の通りが多く、住宅が建ち並んでおり、極楽浄土とは言えませんが、安楽壽院の境内にある近衛天皇安楽壽院南陵の多宝塔がその面影を少しばかり残しています。