安井金比羅宮に祀られている小さな道祖神

京都市東山区の安井金比羅宮には、様々な神さまを祀る社がいくつも建っています。

ただ、道祖神(どうそじん)は、祠に入れられることなく、路傍に置かれた石のようにぽつんと祀られています。

安井金比羅宮と言えば、縁切り縁結び碑という大きな石が有名で人気があるのですが、道祖神は小さく注目されることがない。

安井天満宮の足元に祀られた道祖神

安井金比羅宮は、京阪電車の祇園四条駅から南東に約8分歩くと到着します。

北側の鳥居から境内に入ると、右手に朱色が眩しい安井天満宮の社が建っています。

安井金比羅宮

安井金比羅宮

その南側の足元にソフトボールより大きめの石が置かれています。

この石が道祖神で、注連縄(しめなわ)で見えにくいですが、男女の神さまが寄り添うように刻まれています。

道祖神

道祖神

一段高い場所に置かれているのですが、もし参道わきに祀られていたら、気付かずに蹴とばしてしまう人がいそうなくらい目立ちません。

手前に置かれた、これまた小さな説明書には、道祖神は一般的に集落の堺や峠、道の分岐点等の路傍に祀り、災厄や疫病の侵入を防ぐと記されています。

だから、安井金比羅宮の道祖神も、路傍の石のように境内の片隅にさりげなく置かれているんですね。

往来や旅行の無事を守る神さまとしても信仰されており、後には、その姿から夫婦円満や恋愛成就のご利益を授けてくれるとも言われるようになりました。

説明書に記されているご利益は以下のとおり。

  1. 恋愛成就
  2. 夫婦和合
  3. 子孫繁栄
  4. 悪疫除け
  5. 災難除け
  6. 往来安穏
  7. 旅行安全
  8. 足止め(家出防止など)

猿田彦大神と天鈿女命の夫婦神

道祖神は、古くから道のそばに神聖な石を置いて邪悪なものを防ぐという習俗から、後にそう呼ばれるようになりました。

そして、いつしか道祖神と猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)が同一視されるようになったという。

日本神話の世界。

天照大神の孫(天孫)である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が降臨しようとした際、高天原(たかまがはら)と下界の分かれ道である八衢(やちまた)に七咫(ななあた/約1.2メートル)ある鼻を持つ、光り輝く目をした神がいました。

瓊瓊杵尊は、供をしていた天鈿女命(あめのうずめのみこと)に「お前は女性であるものの誰に対しても気後れしない神だから、あの強い光を放つ神が何者なのか訊ねてこい」と命じます。

天鈿女命が近づき問いただすと、「自分は猿田彦大神といい、天孫が降臨されると聞いて、道案内をするため迎えに参りました」と言う。

安堵した天鈿女命は、道案内をしてもらうことにし、猿田彦大神は日向の高千穂(たかちほ)の峰まで瓊瓊杵尊一行を導いたと伝えられています。

また、この時の縁で、猿田彦大神と天鈿女命は夫婦になり、猿田彦大神の故郷である伊勢に向かったとされています。

旅の安全のために置かれた道祖神が、やがて恋愛成就や夫婦和合のご利益も授けてくれると信仰されるようになったのは、石に彫られた二神が猿田彦大神と天鈿女命だと言われるようになったからなんですね。

斜めに見た道祖神

斜めに見た道祖神

安井金比羅宮の本殿に祀られる崇徳天皇は、悪縁を切って良縁を結ぶ神さまとして崇められています。

また、同じく本殿に祀られている大物主神(おおものぬすのかみ)は、道開きの神さまとして海上安全や交通安全のご利益を授けてくれると信仰されています。

境内の片隅に道祖神が祀られているのは、安井金比羅宮の祭神と同様のご利益があるからなのかもしれません。

お参りの際は、本殿や縁切り縁結び碑だけでなく、道祖神も拝んでおくと、さらなるご利益を期待できそうです。

なお、安井金比羅宮の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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