京都市東山区の祇園に建仁寺という禅寺が建っています。
立地条件は、とても良いですが、参拝する人は少なく境内が混雑することはありません。
俵屋宗達の風神雷神図屏風など、見るものが多いお寺なので、祇園を訪れたときは一度は拝観しておきたいですね。
その建仁寺には、大きな方丈の前に大雄苑(だいおうえん)と呼ばれる枯山水庭園があります。
今回の記事では、建仁寺の大雄苑を紹介します。
方丈と大雄苑
建仁寺には、京阪電車の祇園四条駅から南東に徒歩約5分で到着します。
境内の北側に本坊があるので、中に入って拝観料を納めます。
そして、順路に従い、廊下を歩いて方丈にやって来ると、その前に広々とした大雄苑があります。
建仁寺は、建仁2年(1202年)に栄西が鎌倉幕府2代将軍の源頼家の援助を受けて創建したのが始まりです。
その後は、足利義満に五山の第三位に列せられるなど隆盛しましたが、たびたび火災に遭い、建物が焼失しています。
現在建つ方丈は、安国寺恵瓊(えけい)が、慶長4年(1599年)に安芸(広島)の安国寺から移築したものです。
以前は、銅板葺の屋根をしていましたが、平成26年(2014年)の開山栄西禅師八百年大遠諱を機に建立時の杮葺(こけらぶき)の屋根に戻しています。
大雄苑は、方丈の南側に配されており、前面に白砂が敷き詰められ、広々として見えます。
そして、白砂の奥には刈込があります。
方丈の縁側に座って真南を向くと、大雄苑の奥に法堂(はっとう)の屋根が見えます。
あの法堂の屋根が見えることも、大雄苑が広々と感じられる理由なのでしょう。
縁側も広々としており、方丈の中まで庭園が広がっているように感じられます。
また、大雄苑は、15個の石が置かれた七五三調になっているのも、見る人を飽きさせません。
石の下のコケもきれいですね。
大雄苑は、昭和初期に加藤熊吉によって作庭されたものなので、その歴史は比較的浅いです。
しかしながら、京都で最初の禅寺である建仁寺の庭園であること、方丈とよく調和していることから、とても長い歴史があるように感じられます。
方丈の西側にも白砂が広がり、2ヶ所のコケの上に置かれた石が、まるで海に浮かぶ小さな島のように見えます。
方丈の北側にも白砂が敷かれていますよ。
建仁寺の庭園は、他にも潮音庭があり、こちらの方が人気があります。
潮音庭は紅葉が美しいことから、秋になると多くの観光客で賑わいますが、大雄苑は秋でも、それほど混雑することはありません。
1年を通して、大雄苑の景観は大きく変化しないので、季節を問わず楽しむことができますよ。
なお、建仁寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。