梅雨の新熊野神社で見る大樟・2021年

6月中旬に京都市東山区の智積院に参拝した後、南に3分ほど歩いて新熊野神社(いまくまのじんじゃ)を訪れました。

新熊野神社は、東大路通沿いに建っており、その入り口にある立派なオオクスノキが、一際目立っています。

あまりにも大きなその姿に引き込まれるように境内に入りました。

大樟を見上げる

新熊野神社には、京阪電車の七条駅から南東に徒歩約10分で到着します。

こちらがそのオオクスノキです。

後白河上皇お手植えの「大樟」さん

後白河上皇お手植えの「大樟」さん

新熊野神社は、永暦元年(1160年)に後白河上皇が紀州の熊野権現(くまのごんげん)を勧請(かんじょう)して、法住寺殿の鎮守としたのが始まりです。

その際、熊野から土砂や材木などをこの地に運び、クスノキも移植しました。

それが、上の写真に写っている後白河上皇お手植えの「大樟(くすのき)」さんです。

上皇は、国家鎮護と万民福祉とを請願し、手植えしたと言われています。

このオオクスノキは、神々が降臨する影向(ようごう)の大樟(くすのき)ともいい、健康長寿や病魔退散のご利益があると伝えられています。

特に上皇の腹痛が治ったことから、お腹の神さまとして信仰されています。

樹齢は900年ほどですが、まだまだ樹勢に衰えを感じません。

オオクスノキの正面には、「世阿弥 義満 機縁の地」の石碑があります。

世阿弥 義満 機縁の地

世阿弥 義満 機縁の地

新熊野神社は、観阿弥と世阿弥の父子が室町幕府3代将軍の足利義満に能を披露した地としても有名です。

その時の様子を表現した今熊野猿楽図もありますよ。

今熊野猿楽図

今熊野猿楽図

こちらは花の窟(いわと)神社の模型です。

花の窟神社

花の窟神社

花の窟は、三重県熊野市有馬にあり、伊弉冉命(いざなみのみこと)の埋葬地とされています。

上の模型の表面には、伊弉諾命(いざなぎのみこと)と伊弉冉命の国造り神話の光景が描かれています。

それでは、その伊弉冉命が祀られている本殿にお参りをしましょう。

本殿

本殿

境内では、アジサイが少しだけ花を咲かせていました。

アジサイ

アジサイ

西側から境内を眺めます。

境内

境内

奥に先ほど見たオオクスノキが見え、頭上には筆で描いたようなうっすらとした雲が浮かんでいました。

オオクスノキは、間近で見ることもできますよ。

入り口

入り口

小さな戸をくぐってオオクスノキの前へ。

近くで見ると、幹のたくましさがわかります。

見上げる大樟

見上げる大樟

このオオクスノキは、巨枝が、龍が空を飛んでいるように見えることから、龍に乗った弁財天、すなわち樟龍弁財天(しょうりゅうべんざいてん)として信仰されてきたそうです。

七福神の一つで財宝をもたらす弁財天は、水と緑の深いところに龍神としてまつられることが多いとのこと。

間近でしっかりと拝んでおけば、金運や財運のご利益を授かれそうですね。

本殿にお参りを済ませ、樟龍弁財天も拝んだので、そろそろ境内から出ましょう。

手水鉢

手水鉢

樟龍弁財天を拝んだ後だったためか、手水鉢に流れる水が清らかに見えましたよ。

この後は、勝林寺に参拝します。

なお、新熊野神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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