丑年の初詣は、京都の神社に行こうと計画しているけども、どこの神社がおすすめなのかわからない。
そんな方もいらっしゃるでしょう。
初詣は、どこでも好きな神社に行けば良いのですが、せっかく丑年に初詣に行くのなら、牛と関係がある神社にお参りしたいですよね。
牛と言えば、菅原道真。
天満宮や天神と名がつく神社は、ほとんどの場合、菅原道真が祀られていますから、丑年の初詣には、これらの神社に参拝すると良いでしょう。
菅原道真と牛の関係
ところで、菅原道真と牛には、どのような関係があるのでしょうか。
これには、様々な由来があります。
まず、菅原道真が生まれた承和12年(845年)は、乙丑(きのとのうし)、つまり丑年だったことが挙げられます。
そして、道真は、自分の遺体を乗せた牛車が進むままに埋葬地を決めるよう、遺言を残したとも伝えられています。
生まれた時も亡くなる時も、牛と縁があったんですね。
また、菅原道真が、藤原時平の讒言(ざんげん)で、九州の太宰府に左遷させられた際にも牛が登場します。
時平の命を受けた原宿禰は、道真の命を狙おうとしていました。
都落ちの途中、原宿禰は、道真に斬りかかろうとします。
その時、松原から飛び出してきた牛が、原宿禰の腹を突き刺して道真を救いました。
このような言い伝えなどから、菅原道真と牛は、深い関係となったんですね。
そして、菅原道真を祀る神社には、必ずと言っていいほど、牛がいます。
北野天満宮
京都で、菅原道真を祀る最も有名な神社は、京都市上京区の北野天満宮です。
大宰府で亡くなった道真は、怨霊となり、京都に多くの災いをもたらしました。
そこで、道真の怨霊を鎮める目的で創建されたのが北野天満宮です。
創建にあたっては、道真の乳母の多治比文子(たじひのあやこ)にお告げがあったとか、神良種(みわのよしたね)の息子にお告げがあったとか、伝えられています。
北野天満宮には、参道にも境内にも、多くの牛がいます。
ほとんどの牛は伏せていますが、拝殿正面の大鈴の上の欄干には、立った姿の牛がいます。
この立牛は、北野天満宮では、ただ1頭だけで、七不思議のひとつに数えられていますよ。
参拝時には、立牛もしっかりと見ておきましょう。
菅原院天満宮神社
同じく上京区に建つ菅原院天満宮神社も、菅原道真を祀っています。
菅原院天満宮神社は、菅原道真の生誕地とされており、境内には、道真が誕生した際に使用した初湯の井戸があります。
深さは9メートルほどあります。
以前は枯れていましたが、今は、地下25メートルの地点まで掘って水が出るようになっています。
ミネラル分豊富な地下水で、参拝時に水筒などを持っていけば、汲むことができますよ。
菅大臣神社
京都市下京区の菅大臣神社も、菅原道真を祀っています。
当社は、かつて、菅原道真の邸宅があった場所とされる地に建っています。
道真が大宰府に左遷させられた時、邸宅に植えていた梅の木が彼を慕って大宰府まで飛んで行ったという飛梅伝説が残っているのが当地です。
その社名から、菅直人さんや菅義偉さんが総理大臣になった時に話題になりましたね。
先ほど紹介した菅原院天満宮神社とともに京洛八社集印めぐりの神社にもなっていますよ。
吉祥院天満宮
京都市南区の吉祥院天満宮も、菅原道真生誕地と伝えられています。
もとは、菅原道真の祖父の清公の邸宅があった地とされています。
境内には、道真のへその緒を埋めた胞衣塚(えなづか)、道真が参内前に顔を映したとされる鑑(かがみ)の井がありますよ。
長岡天満宮
京都市の西の長岡京市には、長岡天満宮があります。
当地は、菅原家の所領池とされており、道真が大宰府に赴く途中に休憩した場所と伝えられています。
八条ヶ池では、毎年初夏になるとキリシマツツジが咲き誇り、多くの人で賑わいますね。
以上の他にも、京都には多くの天満宮があります。
天満宮でなくても、境内に末社として天満宮がある神社は多いので、何気なく訪れた神社で牛を見かけることもあるでしょう。
六波羅蜜寺のなで牛
おまけにもうひとつ牛を紹介しておきます。
京都市東山区の六波羅蜜寺の境内には、なで牛がいます。
自分の体の悪い部分と同じ場所を撫でると、治ると伝えられています。
丑年に撫でておけば、大いにご利益がありそうですね。
丑年に京都のどこの神社に初詣に行こうか迷っている方は、この記事で紹介した神社を訪れてはいかがでしょうか。
菅原道真は、学問の神さまとしても有名ですから、受験生の合格祈願にもおすすめですよ。