11月上旬に京都市伏見区の安楽壽院に参拝した後、西に2分ほど歩き北向山不動院を訪れました。
北向山不動院は、「きたむきざんふどういん」と読むのが一般的ですが、「きたむきやまふどういん」と読むこともあります。
交通量が多い油小路通の近くに建つ北向山不動院ですが、境内は、意外と静かです。
鳥羽天皇の勅願所
北向山不動院の最寄り駅は、地下鉄、近鉄電車ともに竹田駅です。
駅からは、南西に徒歩約7分ですね。
北向山不動院の東側の入り口にやってきました。
門は閉じられていますが、その脇から境内に入れます。
門をくぐった右手には、石仏がたくさん並んでいます。
そして、石仏の奥には、鎮守社が建っています。
左側には、陀枳尼天(だきにてん)を祀り、右側には山王大権現(さんのうだいごんげん)を祀っていますよ。
鎮守社の北側には、滝があります。
滝の真ん中に不動明王が祀られていますよ。
滝の近くにあるお瀧洗心井戸。
井戸は、本堂の西側にもあります。
心身を清め、護摩壇の「龍水泉」のお水でお不動さんに「心願」を唱えてお供えします。
境内の北側にやってきました。
ここには、本堂が建っています。
北向山不動院の本堂は、その名のとおり、北向きに建っていますよ。
当院は、天台宗の単立寺院で、大治5年(1130年)に鳥羽上皇の勅願により鳥羽離宮内に創建されました。
開山は、興教大師です。
本堂には、大師が自ら仏師康助に刻ませた不動明王が祀られています。
それでは、お参りをしましょう。
本堂が北向きに建つのは、王城鎮護のために不動明王を北向きに祀ったからです。
鳥羽は京都の南に位置し、御所は北の方角にあります。
本堂の前には、北向山不動院が鳥羽天皇の勅願所であったことを示す石柱が立っていますよ。
境内の北西にも、北向きに不動明王が祀られています。
北向山不動院は、応仁の乱(1467年)の兵火などで被災しましたが、本尊の不動明王は難を逃れ、朝廷の保護も篤く、近世に復興されています。
本堂から参道を南に歩くと、山門が建っています。
その山門の東側に建つ鐘つき堂には、一願不動梵鐘が吊るされており、その音は、伏見一円に響き渡るそうです。
地元の方は、毎年大晦日に除夜の鐘の音を聞いているのでしょうね。
近くの木が紅葉しています。
境内の南に建つ山門。
朱色がとてもきれいです。
北向山不動院に参拝する時は、ここから境内に入りたいですね。
11月上旬の北向山不動院は、境内に人がおらず静かでした。
この辺りまで観光で訪れる人は少ないので、いつ訪れても静かにお参りできますよ。
次は城南宮に参拝します。
なお、北向山不動院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。