9月下旬。
京都市左京区の南禅寺に参拝しました。
南禅寺は、京都を代表する禅寺で、近年は海外からお越しの旅行者の方で境内が賑わうようになっています。
境内は広く、諸堂も大きく立派なので、観光で京都に訪れた時には訪れておきたい名所のひとつであります。
秋晴れの境内
南禅寺は、地下鉄蹴上駅から北東に5分ほど歩いた辺りに建っています。
秋晴れの空の下で見る参道脇の木々とコケが爽やかです。
中門をくぐり境内に入ります。
南禅寺の境内に入って最初に見ておきたいのが三門です。
三門は、悟りにいたるために通らなければならない3つの関門を表す、空、無相、無作の三解脱門を略した呼び方です。
南禅寺の現在の三門は、寛永5年(1628年)に再建されたものです。
石川五右衛門が三門に上り、「絶景かな」と言ったという伝説が残っていますが、彼が生きていた頃は南禅寺の三門は火災で焼失しています。
三門に向かう参道の脇の敷地では、赤色のヒガンバナが咲いていました。
ヒガンバナの近くには、佛光南院柏槙と刻まれた石碑があり、その後ろにマキビャクシンの木が植えられています。
南禅寺のヒガンバナは、あまり多くなく、点々と咲いていましたよ。
三門をくぐり法堂(はっとう)へと向かう参道の前にやって来ました。
境内に多く植えられているカエデの葉が、少しずつ赤くなっています。
参道を法堂近くまで歩いてくると、再びヒガンバナが咲いていました。
ヒガンバナの近くでは萩の小さな花も咲いていましたよ。
萩の花は、目立ちにくいので、気づかずに素通りする人も多いです。
萩の花と一緒に見る法堂。
それでは、法堂にお参りをしましょう。
法堂は、南禅寺の公式の法要が行われる建物です。
法堂の中には、本尊の釈迦如来、右に文殊菩薩、左に普賢菩薩が祀られています。
天井に蟠龍図が描かれているので、忘れずに見ておきたいですね。
境内の南側には、洋風の建造物である水路閣があります。
禅寺には、ふさわしくない建物に思えますが、不思議と周囲の風景に溶け込んでいます。
水路閣の上は、琵琶湖疏水が流れています。
琵琶湖疏水は、明治時代に京都府知事の北垣国道の発意で、田辺朔郎が工事を担当しました。
西洋の技術を取りいれて日本人の手で設計、施工された水路閣は、アーチ構造の優れたデザインをしており、今も残っているのですから、当時の日本の土木技術が優秀だったことがうかがえます。
境内の東側にやって来ました。
方丈近くの玄関の後ろには、東山三十六峰の南禅寺山があり、頭上の青空は薄っすらとした雲がかかっていました。
秋晴れの日は、南禅寺の境内が特に爽やかに感じられますね。
初秋の南禅寺は、観光や旅行で訪れる人が、やや少なく、あまり混雑しませんでした。
11月は大混雑するので、落ち着いて南禅寺に参拝したい方は、10月中には訪れたいですね。
なお、南禅寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。