7月17日は、祇園祭で最も有名な前祭(さきまつり)の山鉾巡行が行われました。
山鉾巡行は、午前中から午後にかけて京都市中心部を山と鉾が進み、多くの旅行者や観光客の方が沿道で観覧します。
その山鉾巡行が終わると、午後4時から東山区の八坂神社で神幸祭が催されます。
山鉾巡行は神幸祭の先祓いとして行われるものであり、祇園祭の本質は神幸祭の神輿渡御(みこしとぎょ)とされています。
騎乗で境内に入る久世駒形稚児
神幸祭が行われる八坂神社は、京阪電車の祇園四条駅から東に5分ほど歩いた辺りに建っています。
時刻は午後3時40分頃。
観光客の方で賑わう四条通を歩いて八坂神社に向かっていると、前方に久世駒形稚児(くぜこまがたちご)の列が見えました。
早く八坂神社に行かないと神幸祭に間に合わないと思うものの、人が多くてなかなか前に進みません。
その間にも、久世駒形稚児は、四条通から東大路通に入っていました。
八坂神社の西楼門前にやってくると、たくさんの人が石段で場所取りをしていました。
午後6時頃から始まる神輿渡御を見るための場所取りです。
まだ2時間以上あるのにすでに西楼門前では神輿渡御を見られない状況となっていました。
午後3時50分前になんとか本殿近くにやって来れました。
神職の方々が、神事のために本殿の中に入ってきます。
そして、久世駒形稚児も馬に乗ったまま南楼門をくぐり境内に入っていきました。
久世駒形稚児は、京都市南区上久世町綾戸からやってきます。
上久世には、綾戸國中神社(あやとくなかじんじゃ)があり、八坂神社と同じ素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀っています。
ただ、八坂神社に祀られているのが素戔嗚尊の穏やかな和御魂(にぎみたま)なのに対して、綾戸國中神社に祀られているのは荒々しい性格の荒御魂(あらみたま)です。
7月13日には、久世稚児社参が行われ、和御魂と荒御魂が一体となっています。
舞殿を3周
久世駒形稚児の名は、胸に馬頭をかたどった木製の駒形を掛けることが由来です。
境内に入ってきた久世駒形稚児は、中央に建つ舞殿(ぶでん)の周りを3周します。
赤い傘とともに葦毛の馬に乗った久世駒形稚児が舞殿を廻ります。
そして、清々講社、宮本組が待つ本殿へと騎乗のまま進みます。
八坂神社に入るには、何人も下馬しなければならないのですが、久世駒形稚児は、本殿前まで騎乗のまま進むことが許されています。
これは、久世駒形稚児が八坂神社と同格の神の化身であるからです。
馬から降りる時も、足を地面につけることなく本殿に入ります。
久世駒形稚児が本殿に入ると神事が始まりました。
しかし、一般の観覧者は中の様子を見ることはできません。
時折、本殿の中から楽器の音色が聞こえてくることがありましたが、神事の内容はわかりません。
神事が行われている最中、境内では、神輿渡御の準備が着々と進んでいます。
午後4時40分頃。
久世駒形稚児が本殿から出てきました。
馬に乗った久世駒形稚児は、南楼門から外に出ていきました。
久世駒形稚児は、この後に行われる神輿渡御で、中御座(なかござ)の神輿を先導します。
なお、八坂神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。
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