毎年春になると京都市上京区にある京都御所で一般公開が行われます。
2016年の公開期間は4月6日から10日までの5日間です。
毎回、京都御所の一般公開には初日に行っているわけですが、今回も当たり前のように初日の4月6日に一般公開を見に行ってきました。
展示品を中心に拝観
京都御所の最寄り駅は、地下鉄の丸太町駅と今出川駅です。
どちらからでも徒歩5分ほどですが、京都駅から行くなら丸太町駅の方が近いですね。
京都御所の西側にある宜秋門(ぎしゅうもん)が一般公開の入り口になっています。
お巡りさんに手荷物検査をしてもらい、御所の中へと進みます。
昇殿を許された者の玄関である御車寄(おくるまよせ)では、寄障子「養由基射猿(ようゆうきしゃえん)」が展示されていました。
土佐光文(とさみつぶみ)の作とのことで、紫宸殿の東にある陣の座の扉にある寄障子だとか。
左上に木に隠れる白い猿が描かれているのですが、遠くからだとわかりにくいですね。
弓の名手である養由基が弓矢を整えただけで、楚の国王が射た矢を掴んだ白い猿でさえ木の影に隠れてしまうという中国の故事を題材にした作品だそうです。
こちらは、諸太夫(しょだいぶ)の間にある虎の襖絵です。
天皇皇后両陛下の玄関である新御車寄(しんみくるまよせ)。
新御車寄には、吉田公均(よしだこうきん)作の杉戸絵「春夏花車(しゅんかはなぐるま)」が展示されています。
牡丹、ユリ、藤など春と夏の草花が彩色豊かに描かれていますよ。
毎回展示されている月輪未生流(つきのわみしょうりゅう)、嵯峨御流、御室流(おむろりゅう)の活花も、いつも通り展示されていました。
今回は、やや質素な感じの御室流の活花を撮影。
こちらは、京都御所の襖の展示です。
京都御所の襖は、何枚も和紙を貼り重ねており、片面だけで13層にもなります。
京都御所で最も大きな建物である紫宸殿(ししんでん)。
即位礼など重要な儀式が行われます。
手前に植えられている立派な桜は左近の桜です。
すでに散り始めていましたが、立派な桜なので散りゆく姿も見事であります。
平安時代に日常の生活の場として使われていた清涼殿では、更衣(ころもがえ)の様子を人形を使って再現していました。
更衣は季節に応じて室内の調度や敷物、衣服をかえることで、平安時代から宮中年中行事として旧暦の4月1日と10月1日に行われていました。
今回の展示は、冬装束から夏装束への更衣の様子です。
下に写っているのは、十二単(じゅうにひとえ)です。
花橘(はなたちばな)という襲(かさね)色目で、4月と5月に使用される色目とのこと。
小御所では、幕末の管弦の様子を表現した人形が展示されており、その音色も聴くことができます。
小御所の前に広がる御池庭。
春らしい陽気で、すがすがしい景色を見れましたよ。
全ての建物と展示を見終えたので、出口へと向かいます。
出口付近の枝垂れ桜は、花を多く散らしていて見ごろを過ぎていました。
今回の記事で紹介したのは展示内容の一部です。
他にもさまざまな展示が行われているので、ぜひ見に行ってください。
京都御苑内の桜
京都御所の拝観を終えた後は、京都御苑内の桜を見て回ります。
出水の小川付近で満開になっている桜。
ヤマザクラのような感じですが、時期的にヤマザクラは散っているので違う品種なのでしょうか。
こちらの八重桜はボリューム満点。
いつも、このボリュームに驚かされます。
京都御所の一般公開の入り口付近に植えられている御所御車返し(ごしょみくるまがえし)は3分咲きから5分咲きでした。
先ほど見たボリューム満点の八重桜に似ていますが、どうなのでしょうか。
御所御車返しは、満開になった姿がとても華やかなので、一度は見ておきたいですね。
京都御苑内の北西にあった満開の桜。
ソメイヨシノよりも、やや濃い色の花を咲かせています。
背の高い桜で、見事な樹形をしていたため思わず見とれてしまいました。
京都御苑内には、様々な品種の桜がたくさん植えられているので、4月の間はお花見を楽しめますよ。