京都市中京区は、京都市の中心部ということもあってお店やマンションなどが建ち並んでいます。
商業用のビルも非常に多いです。
なので、中京区を歩いていても、あまり京都らしい景色に出会えないですね。
でも、大きな通りではなく路地に入れば、昔ながらの建物がまだ残っており、京町家なんかも見ることができます。
新町通六角上るにある川崎家住宅も、そんな建物のひとつです。
大正時代に建てられた
川崎家住宅が建てられたのは大正15年(1926年)のことです。
当時、錦布商を営んでいた井上利助が、主に商談や取引の場として用いていたそうです。
外観は和風建築で、京都でよく見かける町家のような造りになっています。
でも、説明書によると、川崎家住宅は、大正期の大規模都市型住宅で、洋館とともに主家の2階に洋間をつくるなど、和風の中に巧みに洋風を取り入れているとか。
きっと、当時としてはモダンな建物だったんでしょうね。
他にも玄関棟、茶室(紫織庵)、便所浴室、土蔵2棟があり、南側には水屋が付属しているそうです。
大工・棟梁は明治・大正に活躍した数寄屋大工の上坂浅次郎で、京都商事株式会社の創設者である塚本与三次、京都帝国大学教授の武田五一も設計に参与していたとのこと。
こういった人たちが、建設に関わっていたのですから、文化的な価値が高いのでしょう。
平成11年(1999年)には、京都市指定有形文化財に登録されています。
私が川崎家住宅を知ったのは祇園祭の時で、その時は素通りしただけでした。
外から見た感じだと、中に入れないのかなと思っていたのですが、そんなことはなく、現在は紫織庵という「京のじゅばん&町家の美術館」となっていて、申し込みをすれば見学ができます。
入場料は500円で、紫織庵のホームページから事前に申し込みをする必要があります。
京都を歩いていると、ところどころに昔ながらの町家が残っています。
どんな人が住んでいるのかなと思いながら外観を見るだけということが多いですね。
きれいな建物もあれば、今にも倒れてしまいそうなものもあります。
そう言えば、以前、テレビだったかホームページだったか忘れましたが、京都の町家を保存するのは費用もかかって難しいという情報を見たことがあります。
そういった町家を修復して、宿として運営しながら保存しているものもあるようですが、時代の流れとともに京都の街から少しずつ姿を消していくのでしょうね。
寂しいことですが、仕方のないことです。
なお、紫織庵の詳細は公式ホームページをご覧になってください。