京都には、神社やお寺がたくさんあります。
どれくらいあるのか調べたわけではありませんが、ちょっと歩いただけで、いくつも目にするので、その数は、かなりのものでしょう。
寺社に参拝する方は、どちらかというと女性が多いですね。
男性の場合、寺社に訪れるのは年配の方ばかりなのですが、女性の場合は若い方からお年を召した方まで幅広くお参りされています。
女性が神社やお寺にお参りをする場合、女性のためにご利益を授けてくれるところの方が良さそうな気がしませんか。
ということで、今回の記事では、女性のために様々なご利益を授けてくれる寺社をいくつか紹介します。
市比売神社
京都市下京区に建つ市比売神社(いちひめじんじゃ)は、女人守護のご利益を授けてくれます。
ここの境内は女性が多く、男性が中に入るのは、場違いの雰囲気があってはばかられます。
昔は、皇族誕生時に当社の天之真名井(あめのまない)を産湯に使い、生後50日目に五十百日餅(いかももかのもち)を授かる儀式が行われていました。
秘蔵の女神像は母神が童神を抱く姿をしているそうで、歴代皇后も信仰していたとのこと。
姫みくじという可愛らしいおみくじもありますよ。
なお、入口には、「女人厄除祈祷所」と書かれています。
折上稲荷神社
京都市山科区の折上稲荷神社(おりがみいなりじんじゃ)は、女性の守り神として信仰されています。
アメリカの大富豪のモルガンと結婚した祇園の芸妓のお雪が、折上稲荷神社を信仰していたことから、女性の商売繁盛にご利益があると伝えられています。
モルガンお雪が身に付けていた瓢箪のお守りを当社で授かることができます。
また、幕末に孝明天皇が長橋局(ながはしのつぼね)などの女官の病気平癒を祈願し、長命箸を奉納したとされています。それ以来、当社は女性守護のお稲荷さんと呼ばれるようになりました。
同聚院
京都市東山区の東福寺の塔頭(たっちゅう)の同聚院(同聚院)もモルガンお雪と縁があります。
同聚院は、モルガンお雪の菩提寺で、彼女が篤く信仰していたお寺です。
働く女性の守り本尊として今でも女性の崇敬を集めています。
初夏には、モルガンお雪の名を冠した白バラのユキサンが純白の花を咲かせます。
泉涌寺の楊貴妃観音堂
京都市東山区の泉涌寺(せんにゅうじ)の境内に建つ楊貴妃観音堂は、女性の諸願成就のご利益があるとされています。
楊貴妃は玄宗皇帝に愛された絶世の美女として知られています。
そのため、楊貴妃観音にお参りすると美人になれるとも言われています。
この楊貴妃観音は、玄宗皇帝が楊貴妃を偲んで香木をもって造立させた宋伝来の貴重な像です。
かつては秘仏とされた観音さまで、洛陽三十三所観音霊場第二十番札所の本尊とされています。
安養寺
京都市中京区に建つ安養寺は、女人往生のご利益があると伝えられています。
本尊の阿弥陀如来像は、蓮華の台座が逆さまについています。
女性蔑視が強かった時代、女性は業が深く、心の台座が逆さになっているから極楽往生できないと言われていました。
だから、本尊の阿弥陀如来像の台座を逆さまにして、女性が極楽往生できるようにしたということです。
誓願寺
京都市中京区の誓願寺も安養寺と同じく女人往生のお寺として信仰されています。
安養寺と場所も近いですね。
本堂には、金色の大きな阿弥陀さまが祀られていて、誰でもお参りすることができます。
女性に対する優しさのようなものが、その表情の柔らかさに出ていますよ。
河合神社
京都市左京区の下鴨神社の摂社の河合神社も、女性の守護神とされています。
最近では、境内の女性色が強くなり、鏡絵馬なんかも登場しています。
鏡絵馬は、表を自分の顔と見たてて、美しい女性になれるように祈願しながら、お化粧をして奉納します。
本殿脇には、美人祈願をされた女性たちの鏡絵馬がずらっと並んでいますよ。
粟嶋堂
京都市下京区に建つ粟嶋堂は、女性の一生の守り神として信仰されています。
粟嶋堂には、粟嶋明神が祀られており、古来より婦人の守り神とされてきました。
そのため、婦人病平癒や安産祈願にもご利益があるとされています。
与謝蕪村が娘の病気回復を祈願しにお参りをしたともいわれています。
以上が、女性のためのご利益を授けてくれる神社とお寺です。
京都にはたくさんの寺社がありますが、女性の方は、この記事で紹介した神社やお寺に参拝する方が、他の寺社よりも、願い事がかないやすいかもしれませんね。