京都市東山区のミステリースポットと言えば、何と言っても六道珍皇寺でしょう。
六道珍皇寺の建つ辺りは、六道の辻と呼ばれており、平安時代には、小野篁(おののたかむら)が夜な夜な閻魔大王に会いに行くときに使った冥途につながる井戸が境内に残っています。
もうすっかり冬となった12月中旬に季節はずれかなと思ったのですが、六道珍皇寺にお参りしてきました。
人の気配がないと少し怖く感じる境内
六道珍皇寺は、京阪電車の清水五条駅から北東に10分ほど歩くと到着します。
入口には、「六道の辻」と刻まれた石が置かれています。
六道珍皇寺の創建年代はよくわかっていませんが、貞治3年(1364年)に良聡が再興したということはわかっています。
それ以前には、東寺に属していたようです。
境内に入ると、右手にお堂が建っています。
このお堂は、閻魔・篁堂といいます。
お堂の中の右には、小野篁の像があり、左には閻魔大王の像があります。
そして、両者に囲まれるように中央に空海の像が祀られています。
戸は閉まっていますが、中を覗けるようになっているので、お参りの際は、これらの像も拝んでください。
閻魔・篁堂の奥にあるのは、迎鐘(むかえがね)です。
8月に先祖の精霊をこの世に戻すために参拝者によってつかれます。
境内の一番奥に建っているのが、本堂です。
本堂には、「あの世への入口六道の辻」と書かれた提灯が吊るされています。
あの世への入口がどこにあるのかというと、本堂の東の庭園内です。
普段は、庭園に入ることはできませんが、特別公開されることがあります。
拝観したい場合は、その時しかないのですが、外から庭園を覗くことはできます。
その庭園の奥に井戸があり、それがあの世への入口となっています。
ちなみに出口は嵯峨野にあります。
それにしても人が少ない六道珍皇寺の境内は、何となく怖いですね。
冬に訪れたので、背筋がひんやりするなんてものではありませんでした。
子育幽霊飴
六道珍皇寺付近は、あの世への入口と伝えられているだけあって、怪談もいくつかあります。
そのうちのひとつにお墓で生まれた赤ちゃんを育てるために母親の幽霊が、近くのお店に飴を買いに通ったというものがあります。
そんなことがあるはずないと思ってしまいますが、母親の幽霊が飴を買ったお店は現在も残っています。
私が訪れた時は、休みだったのですが、入口には「幽霊子育飴」の看板がしっかりとかかっていました。
お店の斜め向かいには、子育地蔵で知られている西福寺も建っており、この怪談と何か関連がありそうな気がしますが、詳細はわかりません。
ちなみに西福寺には、女性の死体が腐って白骨化するまでの9段階の過程を描いた九相観の図という聞くだけで恐ろしくなる絵が保管されているそうです。
こういった言い伝えや九相観の図の存在から考えると、やはり、この辺りにはあの世への入口があったのかもしれませんね。
東山散策の際は、誤ってその入口に入らないようにしましょう。
なお、六道珍皇寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。