あわせて拝観したい勝林院、実光院、宝泉院

京都市左京区の大原に勝林院というお寺が建っています。

勝林院は、承和2年(835年)に円仁が創建した声明(しょうみょう)の道場で、実光院や宝泉院などいくつか子院もあります。

現在、勝林院と子院の実光院、宝泉院は、拝観可能となっており、観光シーズンになると、多くの拝観者で賑わいます。

勝林院

勝林院は、三千院の入口とたくさんのお店に挟まれた道を奥に進むと現れます。

勝林院

勝林院

本堂に祀られている本尊の阿弥陀如来は「証拠の阿弥陀」と呼ばれています。

本尊がこのように呼ばれているのは、勝林院を中興した寂源が法華八講を行った時に本尊が物論の真実を示したと伝えられていることが理由です。

また、文治2年(1186年)に顕信が浄土宗の開祖法然を招いて、念仏により極楽往生できるかどうかを論議した大原問答の際に阿弥陀如来の手から光明が放たれ、証拠立てたと伝えられていることも、その由来とされています。

勝林院の境内は、中央の奥に本堂が建っているだけで味気ない感じがします。

しかし、本堂の天井付近には見事な彫刻があり、これを見るだけでも十分に拝観する価値があります。

本堂の彫刻

本堂の彫刻

その他の見どころは、秋の紅葉で、本堂脇のカエデが見事です。

実光院

実光院は、勝林院の参道脇に建っています。

実光院

実光院

実光院は、長和2年(1013年)に勝林院を中興した寂源によって創建されました。

実光院の見どころは、客殿の南に広がる庭園です。

拝観時は、抹茶もいただけるので、客殿でくつろぎながら庭園を鑑賞することができます。

実光院の庭園で見ておきたいのは、秋に咲く不断桜と紅葉の景色です。

なので、拝観するなら紅葉の時期が良いですね。

宝泉院

宝泉院は、勝林院の隣に建っています。

宝泉院

宝泉院

実光院と同じく、長和2年に寂源によって創建されました。

入口から境内に入って数メートル進むと、法然上人衣掛けの石が置かれています。

法然上人衣掛けの石

法然上人衣掛けの石

宝泉院の見どころは、血天井と3つの庭園です。

血天井は、関ヶ原の戦い(1600年)の前に東軍に味方した鳥居元忠とその家臣が自刃した伏見城の床を天井にしたものです。

同様の天井は、源光庵養源院などにもありますね。

庭園は、額縁庭園、鶴亀庭園、宝楽園があり、特に人気なのが額縁庭園です。

柱と柱の空間を額縁に見立てて庭園を鑑賞します。

実光院と同じく抹茶をいただくことができますが、観光シーズンは拝観者が多く、のんびりと庭園を鑑賞するのが難しいですね。

勝林院に訪れる時は、子院の実光院と宝泉院も一緒に拝観してみてください。

季節は秋がおすすめですが、混雑するのが難点です。

のんびりと拝観したいなら観光シーズンを外した方が良いですね。

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