社殿が流れてきた田中神社

京都市伏見区の横大路は、車の交通量が多い地域です。

国道1号線や外環状線が走っているので、当然と言えば当然です。

こういう交通量の多い地域にはあまり観光目的で訪れる人は少なく、実際に名所と呼ばれる場所も多くありません。

しかし、探してみるとあるもので、横大路にも田中神社という神社が建っているのを発見しました。

馬の神様

田中神社と言えば、以前にクジャクがいる田中神社を紹介しました。

しかし、クジャクがいる田中神社は左京区に建っており、今回紹介する田中神社とは別です。

伏見区の田中神社に訪れたのは夕方だったので、写真が若干暗めです。

鳥居の前には、馬の神様と書かれた看板が置かれています。

鳥居

鳥居

そう言えば、同じ伏見区にある藤森神社も馬の神様ですね。

ちなみに京都競馬場も伏見区にあります。

田中神社は、治暦年間(1065-1069年)に創建されました。

当初は、現在地よりも北の鳥羽に建っていたのですが、安土桃山時代に洪水にあい、社殿がここまで流されてきたそうです。

通常、洪水で流された建物は、ぼろぼろに壊れてしまうのですが、なんと田中神社の社殿は無傷だったそうです。

当時の村人たちは、その奇跡を喜び、境内を整備して盛大な祭典を催したと伝えられています。

境内

境内

境内には、牛頭水(ごずすい)と呼ばれている御神水が流れています。

飲めるのかどうかわかりませんが、ありがたい水のようです。

御神水

御神水

そして、本殿にお参り。

拝殿は平成8年(1996年)に再建されたもので、その後ろに大きな本殿が建っています。

拝殿

拝殿

田中神社は、馬の神様なので、競馬に行く前に勝ち馬祈願をしておくと良さそうですね。

他にも、安産、子宝、子孫繁栄、商売繁盛、交通安全のご利益もあるそうです。

虫の神様

田中神社の鳥居の前には、馬の神様の他に虫の神様の看板も置かれていました。

その虫の神様とは、境内にある北向虫八幡宮のことです。

北向虫八幡宮

北向虫八幡宮

平安時代、憲平親王が癇(かん)の虫がひどかったので、その母の藤原安子が八幡宮に祈願したところ、たちどころに平癒したので、安子の父の藤原師輔が御所を守護するように社殿を北向きに建てたそうです。

伏見区は、京都市の南に位置しているので、田中神社から見て御所は北の方角に建っていることになります。

上の故事から、北向虫八幡宮は、夜泣き、癇の虫封じの神様として崇敬されています。

北向虫八幡宮は、当初は鴨川と桂川が合流する草津湊に建っていましたが、明治5年(1872年)に田中神社の境内に移されました。

ちなみに草津の湊跡は、田中神社から西に5分ほど歩いた場所にあります。地図は、下記WEBサイトをご覧になってください。地図の中心より下の鴨川と桂川が合流している地点の右側です。

なお、田中神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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