10月3日に京都市伏見区の瑞光寺に参拝した後、北に約2分歩き、宝塔寺を訪れました。
現在の宝塔寺は、日蓮宗のお寺ですが、以前は平安時代に藤原時平が完成させた真言宗の極楽寺だったと伝えられています。
この辺りは、民家が多く観光で訪れる人は少ないのですが、宝塔寺のような古刹があるので、なかなか興味深いところです。
夕日に照らされた境内
宝塔寺には、京阪電車の龍谷大前深草駅から東に約10分歩くと到着します。
宝塔寺の総門の前にやって来ました。
時刻は、午後5時前。
この時期になると、日が落ちるのが早くなり、午後4時頃から景色がオレンジ色になっていきます。
総門をくぐると長い参道が現れます。
参道は、途中から緩やかな上り坂になっており、その奥に朱色の仁王門が建っています。
仁王門の左右には怖い顔をした仁王さまが立っていますよ。
赤い体が、夕日に照らされて、さらに迫力を増しています。
仁王門をくぐる時は、上を向いて花天井絵も見ておきましょう。
仁王門をくぐった先に石段があり、その上に立派な本堂が建っています。
本堂の創建は、慶長13年(1608年)で、十界曼荼羅、釈迦如来立像、日蓮聖人、日像上人の像が安置されています。
徳治2年(1307年)に住持の良桂が、日蓮聖人の法孫である日像上人に帰依したことから、日蓮宗に改められました。
当寺が宝塔寺と改称されたのは、日像上人が、京都に通じる7つの街道の入口に建てた法華題目の石塔婆の一つを日像上人の廟所に安置したことによります。
ちなみに日像上人の廟所は、参道わきにありますよ。
それでは、本堂にお参りをしましょう。
本堂から振り返ると、仁王門の屋根の向こうに夕日が見えました。
秋の夕暮れ時の景色ですね。
どことなくもの悲しさを感じます。
本堂の南側に建つ多宝塔は、永享11年(1439年)以前に建立されたものです。
多宝塔の南には墓地があり、そこから1匹のネコが小走りに走り去っていきました。
仁王門の北側に建つ鐘楼の近くにやって来ると、いきなりゴーンと鐘が鳴りました。
時計を見ると午後5時だったので、時刻を報せるために撞かれたようです。
でも、鐘楼に人の気配がしません。
中からは、何やらモーター音のようなものが聞こえてきます。
どうやら、宝塔寺の鐘は、特定の時刻になると自動的に撞かれるみたいです。
お寺にも、オートメーション化の波が押し寄せているようですね。
鐘は、何度も撞かれ、その音を聞きながら南に目をやると、遠くに伏見桃山城の天守閣が見えましたよ。
秋の夕暮れ時に参拝した宝塔寺は、境内にもの悲しい雰囲気が漂っていました。
これから秋が深まっていくと、もっとしみじみとした情緒が出てくることでしょう。
なお、宝塔寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。