7月に入り、京都では祇園祭が始まりました。
すでに八坂神社では様々な祭礼が催され、また、四条通を歩いていると、コンチキチンと祇園囃子が聞こえてきます。
さて、7月10日から14日まで、四条烏丸周辺では、祇園祭前祭(さきまつり)の山鉾建てが行われます。
ということで、7月10日に山鉾建ての様子を見に行ってきました。
長刀鉾
地下鉄四条駅または阪急電車の烏丸駅を出て地上に上がると、四条烏丸の交差点付近に出ます。
その四条烏丸の交差点のやや東側では、長刀鉾の組み立てが行われていました。
7月17日の前祭山鉾巡行の順番は、7月2日のくじ取り式で決まります。
しかし、長刀鉾は、常にくじ取らずで巡行の先頭を進むのです。
長刀鉾の長刀は三条宗近作と伝わっていますが、現在は複製を使用しています。
長刀鉾のビルも人でいっぱい。
通りかかる人々が物珍しげに中を覗いていましたよ。
まだ骨組みだけなので、小さく見える長刀鉾ですが、完成すると巨大になります。
車輪だけでも人の背と同じくらいの大きさですからね。
動かすのは、とても大変そうです。
函谷鉾
四条烏丸の横断歩道を西に渡ると、函谷鉾(かんこほこ)ビルがあります。
こちらでは、函谷鉾の組み立てが行われています。
でも、誰もいません。
正午頃だったので休憩しているのでしょうか。
函谷鉾も長刀鉾と同じくらい大きな鉾です。
巡行している姿はとても迫力がありますよ。
こちらの提灯が付いた小さな車はなんでしょうか。
できあがらないことにはわかりませんね。
菊水鉾
四条通から室町通を北に進むと、菊水鉾の組み立てが行われています。
こちらも作業が中断しています。
菊水鉾は、菊水鉾町の町内にあった菊水井にちなんで名づけられました。
菊水井は、夷(えびす)を祀る社の社殿の隅にあったそうです。
室町時代の茶人である武野紹鴎(たけのじょうおう)が、こよなく愛した井で、ここに庵を結び茶亭を大黒庵と称しました。
菊水井の名は、能楽「菊慈童」から着想「菊の葉より滴る露を飲み長寿を得た」という中国の故事に起因するのだとか。
菊水鉾も大きな鉾なので、完成すると迫力がありますよ。
霰天神山
室町通を北上し、錦小路通を西に入ると霰天神山(あられてんじんやま)があります。
作業は行われていないようですが、建物の玄関には赤い傘と提灯が設置されています。
永正年間(1504-1521年)の大火の時、霰が降り猛火がたちまち消えたのですが、その時、1寸2分(約3.6cm)の天神像が霰とともに降って屋根にとまっていたので、その奇瑞に感じてこれを祀ったのが霰天神山の起こりと伝えられています。
火除天神山(ひよけてんじんやま)とも呼ばれていますね。
今回は、4つの山と鉾だけ見て帰ることに。
祇園祭前祭では、23の山と鉾が四条烏丸界隈に建ち並びます。
中に入れる山や鉾もあるので、17日の巡行前にぜひ四条烏丸を訪れてください。