今回の記事も泉涌寺(せんにゅうじ)です。
泉涌寺といっても今回紹介するのは、その塔頭(たっちゅう)寺院です。
泉涌寺には、たくさんの塔頭が建っているのですが、それらの塔頭のうち7つは泉山七福神(せんざんしちふくじん)と呼ばれています。
福禄寿
福禄寿は、幸福、封録、長寿の三徳を具現化した神様です。
泉山七福神では、泉涌寺の総門の左に建つ即成院(そくじょういん)が福禄寿となります。
即成院は、病気平癒、諸願成就の祈願所として知られています。
本堂の裏には、屋島の戦いで舟の上の扇を弓矢で射落とした那須与一のお墓があります。
弁財天
弁財天は、財宝の女神です。泉山七福神では、戒光寺が弁財天となります。
境内には、弁財天を祀った社があります。
戒光寺と言えば、5メートル以上もある身代り釈迦像が有名です。あまりに高いので、お顔を拝もうとすると相当見上げることになります。
恵比寿神
恵比寿神は、商売繁盛、五穀豊穣の神様です。泉山七福神では、今熊野観音寺が恵比寿神になります。
今熊野観音寺には、頭痛、中風封じの観音様が安置されています。
境内は、他の塔頭寺院よりも広く、一番高い場所には朱色が鮮やかな医聖堂が建っています。
布袋尊
布袋尊は、大きな袋を持った僧侶です。泉山七福神では、来迎院が布袋尊となります。
境内には、忠臣蔵でおなじみの大石内蔵助が寄進した茶室含翠軒(がんすいけん)があります。
大黒天
大黒天は、福の神として知られています。泉山七福神では、総門から一番遠い雲龍院が大黒天となります。
雲龍院は、写経道場として知られていて、悟りの窓や庭園も有名です。
毘沙門天
毘沙門天は武神です。泉山七福神では、悲田院が毘沙門天となります。
悲田院は、聖徳太子が身寄りのない老人や子供を収容する施設として創建したのが始まりとか。
悲田院の毘沙門天は、除災招福のご利益があると信仰されています。
寿老人
寿老人は、長寿の神様で、泉山七福神では、総門を入って右手に建つ法音院が寿老人となります。
法音院は、嘉暦元年(1326年)に無人如導が泉涌寺山内に創建したと言われています。
お寺には、寿老人の像が安置されています。
愛染明王
上で紹介した7つの寺院が泉山七福神なのですが、他にも番外として愛染明王があります。
愛染明王は、愛の仏で、泉涌寺の塔頭では、新善光寺が愛染明王となります。
長野県の善光寺の本尊と同体の全銅阿弥陀如来立像を鋳造して本尊としていることから、新善光寺と呼ばれるようになったそうです。
他にも泉涌寺内に建つ楊貴妃観音堂の楊貴妃観音も番外となっています。
泉山七福神はそれほど時間をかけずに廻ることができますので、泉涌寺の拝観の後に七福神巡りをするといいですね。