京都府八幡市の石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)は、古来より朝廷や武家の崇敬を受けてきた神社です。
そのため、石清水八幡宮には、歴史的に有名な人物から寄進された文化財が数多くあります。
例えば、本殿をぐるっと囲む塀も安土桃山時代に織田信長が寄進したものなんですよね。
耐火性に優れた塀
石清水八幡宮の本殿は、最近、改修されて鮮やかな朱色がよみがえっています。
晴れた空の下で見る本殿はとても美しいですね。
その本殿の庇には、龍と虎が彫られています。
参拝するときには、頭上を見上げて、この彫り物も鑑賞しましょう。
本殿の北東には、おがたまの木が植えられています。
神社の説明書によると、おがたまの木は、「招霊の木」とも書かれ、古くから霊力が宿る御神木として多くの神社に植えられているそうです。
そう言えば、京都市内の神社でもよく見かけますね。
そして、下の写真に写っているのが信長塀です。
灯籠の後ろにある塀がそれですが、一見すると、それほど耐火性に優れているようには見えません。
でも、信長塀は、瓦と土を幾重にも重ねて造られているので、燃えにくい構造になっており、しかも、耐久性にも優れているそうです。
石清水八幡宮は、過去に何度も戦場となった神社なので、もしかしたら、織田信長は、そういったことを考えて耐火性と耐久性に優れた塀を寄進したのかもしれませんね。
本殿の石垣は、まるでお城の石垣のようです。
人の身長よりも高さがある石垣なので、簡単にはよじ登れそうにありません。
この辺りにも、防衛的な意図が感じられますが、どうなんでしょうか。
相槌神社
本殿にお参りを済ませた後は、表参道を歩いて下ります。
表参道の途中で、石段が北と東に分かれるところがあります。
北に進めば、京阪電車の八幡市駅に行きます。
東の石段を降りると、その下に相槌神社が建っています。
扁額には、三條小鍛治と書かれているので、刀鍛冶の三條小鍛治と関係がある神社なのでしょう。
ちなみに京都市東山区の相槌稲荷明神と仏光寺本廟にも三條小鍛治の旧跡があります。
相槌神社の脇には、「山ノ井戸」と刻まれた石柱があります。
湧き水が出ているのかと思い、井戸を覗こうとしたのですが、蓋がしてあったので中を見ることはできませんでした。
誰も使用しているように見えないので、今は枯れてしまっているのでしょうね。
石清水八幡宮は、京都市から少し離れていますが、日本史が好きな方にとっては興味深い建造物がいくつもあるので、参拝する価値があると思いますよ。