洛北の実相院(じっそういん)、洛東の金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)、洛南の東福寺。
いずれも紅葉がきれいで、晩秋の京都観光で訪れたいお寺。
しかし、3寺は距離が離れているため、1日で廻ると参拝時間より移動時間の方がかかってしまうという難点があります。
ただ、バスツアーを利用すれば、公共交通機関を使うより移動時間を大幅に短縮でき、1日しか京都に行けない方でも満足のいく紅葉狩りを体験できます。
バスからの景色も格別
3寺の紅葉を巡るツアーを用意しているのは、京阪バスの「<T>~京都もみじ紀行~古都を彩る紅葉と美食の旅」です。
期間は、11月21日から24日、28日と29日、12月1日から6日。
京都駅烏丸中央口を出て西のおこしバスのりばを9時40分に出発し、間に昼食をはさんで3寺を拝観し、14時25分に京都駅に戻ってきます。
ツアー代金は、バス乗車代、拝観料、昼食代込みで13,700円です。
このツアーは、バスが走る経路にも趣向を凝らしており、錦秋の京都を車窓から眺められるようになっています。
京都駅から堀川通を北上していくと、左の窓からは西本願寺や二条城が見え、また、そのまま走っていくと右の窓からも黄葉したイチョウ並木を眺められます。

堀川通のイチョウ並木
もちろん、座席は右側がおすすめですが、どこに座れるかはツアー当日にならないとわかりません。
各寺院の見どころ
ここからは、晩秋の実相院、金戒光明寺、東福寺の見どころを紹介します。
実相院
バスが最初に向かうのは、洛北の岩倉に建つ実相院。
京都市中心部より季節の進みが早いため、バスから降りると幾分寒く感じるかもしれません。
代々皇族関係者が入寺した宮門跡寺院(みやもんぜきじいん)として栄えた実相院は、格式の高いお寺ですが、しゃちほこばった印象はありません。
四脚門をくぐって建物内へ。
縁側を進むと、四角に整えられた敷地に白砂と複数の石組で構成された石庭が現れます。
その1辺には、端から端までカエデが壁のように植えられており、秋の深まりとともに赤みを増していきます。

実相院の石庭と紅葉
まるで、白砂が紅葉を引き立てるのを計算してカエデを配置したかのよう。
遠く東の奥比叡を借景としているため、奥行きのある景色を楽しめるのも特徴。
実相院は、石庭以外にも木々がたくさん植わった山水庭園があり、こちらでも紅葉を観賞できます。

実相院の庭園の紅葉
室内から眺めるも良し、縁側に座って物思いにふけるも良し。
ナンテンも小さな赤い実をつけ出し、終わりゆく秋と冬の到来と、移ろう季節を一所に居ながらにして感じられます。
また、客殿の滝の間の床は、紅葉が映り込むようにぴかぴかに磨き上げられています。
これぞ、実相院名物の床もみじ。
写真撮影が禁止されているのは残念ですが、床もみじは、しっかり見ておきたいですね。
他に貴重な襖絵も鑑賞できますよ。
なお、実相院の拝観時間は35分を予定しています。
金戒光明寺
洛東の金戒光明寺は、浄土宗四ヵ本山の一つに数えられることから、境内は広く、豪壮な建物も多いのが特徴です。
高麗門をくぐり、まっすぐ進むと、左手の石段上に威風堂々と山門が建ち、その前で赤く色づいた数本のカエデが参拝者を出迎えます。

金戒光明寺の山門と紅葉
この山門は、秋の特別公開時に上ることもできます。
山門をくぐった先でも紅葉を見られ、御影堂(みえいどう)へと続く石段を上り切ってから振り返るのも忘れずに。
石段上からは、山門と紅葉を見下ろせ、この景色も人気があります。
ただ、逆光になりやすく、写真撮影には不向きですけどね。
他に蓮池付近や三重塔付近でも紅葉を見られるのですが、現在、三重塔が工事中で、蓮池から三重塔へと続く石段にモノレールが設置されています。
そのため、蓮池から三重塔の紅葉は、例年より見づらくなっています。
ただ、お寺にモノレールが設置されているのは、貴重な景観であり、今しか見られないと思うと写真撮影が進むはず。
阿弥陀堂の裏から、モノレール全体を眺められるので、時間があれば見に行くと良いでしょう。
ツアーでは、法然上人の生涯と浄土宗の広がりを表現した紫雲の庭も鑑賞する予定です。

金戒光明寺の紫雲の庭と紅葉
紫雲の庭は、枯山水庭園ですが、白砂、コケ、石組、池泉と見るものが多く、適度に植わったカエデの紅葉が庭全体に調和しています。
紫雲の庭は、普段公開されていないので、ツアーではじっくりと見ておきましょう。
また、御影堂内や大方丈内も鑑賞でき、展示された様々な寺宝も間近で見られます。
なお、金戒光明寺の拝観時間は80分を予定しています。
東福寺
金戒光明寺の拝観後は、約60分の昼食をはさみ、東福寺へ。
東福寺は、京都市でも屈指の紅葉の名所で、非常に多くのカエデが植わっています。
夏場は緑一色だった境内が、晩秋には、赤い絵の具で塗ったかのような景色に変わる。
ツアーでは午後に訪れることになるので、斜めに射す西日がモミジを照らし、境内全体が橙色の輝きを放ちます。

東福寺の紅葉
通天橋から見下ろす洗玉澗(せんぎょくかん)一面が紅葉した風景は目に焼き付けておきたい。
ただ、人が多いと橋の上で立ち止まれないこともあり、橋上からの写真撮影はできない可能性があります。
洗玉澗をさらさら流れる三ノ橋川に浮かぶ散紅葉もお見逃しなく。
忘れてはならないのが、本坊庭園の拝観。
本坊庭園の拝観料はツアー代金に含まれていませんが、一度も見たことない方は、この機会に拝観することをおすすめします。
本坊庭園は、東西南北の4つの庭から構成され、特にツアーの時は北庭を中心に見ておきたいですね。
北西角には、通天橋と紅葉を望める通天台が設置されており、ここからの眺めは格別。

東福寺の通天橋と紅葉
大混雑する通天橋だと、落ち着いて紅葉を見られませんが、本坊庭園だと、鑑賞する人が比較的少ないので、のんびりと紅葉を愛でることができます。
なお、本坊庭園の拝観料は500円です。
ツアーでは、東福寺の拝観時間は90分の予定。
ツアーの申し込み
「<T>~京都もみじ紀行~古都を彩る紅葉と美食の旅」のツアーは、旅プラスワンの以下のページから申し込めます。
京都の紅葉は、北から色づき始める傾向にあります。
そのため、このツアーでは、実相院が一番早くに色づき、金戒光明寺、東福寺と順に紅葉していきます。
したがって、実相院が見ごろに入っても、金戒光明寺や東福寺は、まだ見ごろ前ということもありますし、逆に東福寺が見ごろに入る頃だと実相院の紅葉が散り始めている場合もあります。
1日で南北に渡って紅葉を見に行く場合、紅葉の進みが異なるのは、どうしても避けられません。
ただ、1日で季節の移ろいを感じられると前向きに考えれば、良いツアーになるでしょう。
実相院の紅葉の見ごろは11月20日前後になりそうで、金戒光明寺はそれから数日後、東福寺は11月27日頃になるかと思います。
これからの気温の変化によって、紅葉の進みは変わりますが、紅葉が進む順はそうそう変わりません。
そのため、実相院の紅葉が目当てなら早めの日、東福寺の紅葉が目当てなら遅めの日を選ぶという認識で問題ありません。
近年、京都の紅葉は遅くなってきているので、12月に入ってからでも、東福寺ではきれいな紅葉を見られます。
実相院は散紅葉になっているかもしれませんが、それも、晩秋のしみじみとした風情を感じられて良いものです。
1日で色付きの異なる紅葉を楽しみたい方は、実相院、金戒光明寺、東福寺を1日で廻るバスツアーに申し込んではいかがでしょうか。