京都市左京区の南禅寺には、別院の南禅院が建っています。
南禅院には、鎌倉時代に亀山法皇が作庭したと伝わる方丈庭園があり、南禅寺を訪れたときには、南禅院の方丈庭園も見ておきたいですね。
今回の記事では、南禅院の方丈庭園を紹介します。
心字池を中心にした池泉回遊式庭園
地下鉄の蹴上駅から北東に5分ほど歩くと南禅寺に到着します。
南禅寺の境内には、南側に水路閣があり、その奥の石段上に南禅院が建っています。
拝観受付で拝観料を納め、境内に入ると、本堂の方丈が建っており、その南側に心字池が配された池泉回遊式庭園があります。
南禅院は、亀山上皇の離宮の禅林寺殿上宮の跡で、南禅寺発祥の地です。
庭園が造営されたのは、鎌倉時代のことで、今も離宮当時の面影を残しています。
南禅院の方丈庭園は、天龍寺と苔寺の庭園とともに京都三名勝史跡庭園に数えられています。
池は、心字池と呼ばれ、ひょうたん型をしています。
心字池の奥には山があり、その一角の滝から池に水が勢いよく流れ込んでいます。
山の中腹は木々で覆われており、ここからは、庭園全体を見渡しにくいのですが、冬から春先にかけては、木々の枝に葉が付いていないので、心字池越しに方丈を眺めることができます。
南禅院の方丈庭園は、池中に大小5つの島が設けられた多島式庭園でもあります。
かつては、もっと広かったのですが、室町時代に足利義持が北山殿の寝殿を移築した際に池や敷地が縮小されました。
この時に牡丹が植えられ、吉野の桜など名所の花木も移植されたのですが、応仁の乱(1467年)で焼失し荒廃しました。
上の写真に写っている方丈は、元禄16年(1703年)に徳川綱吉の生母である桂昌院が再興したもので、中には亀山天皇坐像が祀られています。
紅葉と庭園
南禅院の方丈庭園には、割と多くのカエデが植えられえいるので、秋が深まると紅葉を見ることができます。
紅葉時期は、京都市内では遅めで、11月末から12月上旬です。
背後の山に日差しを遮られていることもあり、鮮やかな赤色にはなりにくいですが、深みのある紅葉を見ることができ、しみじみとした趣を感じられます。
また、方丈の中に入ることはできませんが、縁側に腰掛けながら、のんびりと庭園の紅葉を見ることもできます。
南禅院の方丈庭園は、紅葉時期に拝観するのがおすすめです。
南禅寺でもきれいな紅葉を見られますよ。
なお、南禅院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。