平安神宮にある天皇陛下御在位六十年記念の石碑

神社の中には、「○○神宮」と呼ばれているものがあります。

京都だと、平安神宮ですね。

神宮は、皇祖や天皇を祀っている神社のことで、平安神宮の場合は、平安京最初の天皇の桓武天皇と平安京最後の天皇の孝明天皇が祀られています。

また、北野天満宮のように「宮」が付く場合は、皇室と深い関係があることを示します。

その平安神宮ですが、境内には、天皇陛下御在位六十年を記念した石碑が置かれています。

昭和60年歌会始のお題「旅」

平安神宮には、地下鉄の東山駅から北に徒歩約10分で到着します。

応天門をくぐり、左を見ると額殿と呼ばれる建物があります。

額殿から見る応天門

額殿から見る応天門

その額殿の隣に天皇陛下御在位六十年記念の石碑が置かれています。

天皇陛下御在位六十年記念の石碑

天皇陛下御在位六十年記念の石碑

在位が60年以上の天皇陛下と言えば、もちろん昭和天皇のことです。

したがって、この石碑は、昭和天皇の御在位60年を記念して建立されたものです。

石碑には、昭和天皇の以下の御製が刻まれています。

遠つおやの しろしめしたる 大和路の 歴史をしのび けふも旅ゆく

この歌は、昭和60年(1985年)の歌会始で詠まれたもので、その時のお題は「旅」でした。

以下のブログによると、昭和天皇は、昭和54年から同59年の間に3回も奈良県に行幸されたそうです。

この歌の中の「しろしめす」は、統治するの尊敬語です。

上のブログでも述べられているように「しろしめす」は、私的な支配を意味する言葉ではなく、天皇による公的な国内統合を意味する言葉です。

初代の神武天皇や大和(奈良県)を都とした歴代天皇の公的な統治に思いを馳せ詠まれたのでしょう。

そして、最後の「けふも旅ゆく」は、国民の平和を守り続けるとの意思のようにも読み取れます。

昭和は、第2次世界大戦などが起こる激動の時代でした。

即位されてからの様々な出来事を思い返すことは、とても辛いことだったのではないでしょうか。

平安神宮の天皇陛下御在位六十年記念の石碑を見ていると、そのように感じます。

石碑は、あまり目立つ場所には置かれていませんが、平安神宮に旅行や観光で訪れた際は、ぜひご覧になってください。

なお、平安神宮の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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