朱雀の庭のフジバカマに飛来するアサギマダラ・2017年

10月上旬。

京都市下京区の梅小路公園を訪れました。

毎年この時期は、梅小路公園の朱雀の庭で、「藤袴と和の花展」が行われます。

2017年の開催期間は、9月23日から10月9日まで。

そう、今回、梅小路公園を訪れたのは、朱雀の庭に咲くフジバカマを見ることが目的であります。

薬用植物と和の花

梅小路公園は、京都駅から西に15分ほど歩いた辺りにあります。

そして、藤袴と和の花展が開催されている朱雀の庭は、公園内の一番西側にあります。

JR丹波口駅からだと南に徒歩約10分なので、移動の手間を省きたい方は、こちらの方が良いでしょう。

朱雀の庭の入り口にやってきました。

入り口

入り口

中に入って階段を上ると、自動券売機が設置してあるので、そこに200円を投入し入場券を購入します。

出てきた入場券をさらに自動改札に入れて朱雀の庭に入ります。

遊歩道を歩いていると、小さな植木鉢に様々な薬草が植えられていました。

薬用植物と和の花

薬用植物と和の花

「薬用植物と和の花」と題した展示で、武田薬品工業、京都薬用植物園、日本新薬、山科植物資料館が協力しています。

薬用植物と一口に言いますが、生薬、漢方、民間薬の3種類に分類されるとのこと。

生薬は、薬用にする目的で、植物、鉱物、動物、昆虫などの全体、あるいは一部、分泌物などをそのまま、あるいは乾燥またはこれに簡単な加工を施したものをいいます。

漢方は、中国から伝えられ、日本独自の発展を遂げた医学です。原料となる生薬の種類、分量が定められ、それらの組み合わせで構成されているのだとか。

民間薬は、古くから庶民の間に伝承されてきた薬です。日本では、センブリ、ゲンノショウコ、ドクダミを三大民間薬と言うそうです。漢方が複数の生薬を組み合わせて使用するのに対して、民間薬は大部分が単味で用いられる特徴があります。

遊歩道を先に進むと、いのちの森があります。

いのちの森

いのちの森

森の中に入ると、様々な鳥のさえずりが聞こえますよ。

ちょっとした森林浴ができるので、都会暮らしで疲れた方におすすめです。

フジバカマとアサギマダラ

朱雀の庭の池がある地帯にやってきました。

フジバカマが展示されているのは、この池です。

朱雀の庭のフジバカマ

朱雀の庭のフジバカマ

池全体がフジバカマで覆われて見事な景色です。

朱雀の庭で展示されているフジバカマは原種です。

原種のフジバカマは、そうでないものよりも色が薄めです。

普段見かけるフジバカマは、もっと赤色が強いのですが、原種のフジバカマはやや白っぽく見えるのが特徴的です。

フジバカマと言えば、美しい羽根を持つ蝶のアサギマダラですね。

アサギマダラ

アサギマダラ

アサギマダラがフジバカマに飛来するのは、フジバカマにピロリジジンアルカロイド(PA)が含まれているからだと考えられています。

アサギマダラはPAを好むそうで、体に取り込んだPAは、鳥類などの天敵から身を守るための防御物質やオスの性フェロモンの原料として使用されていると考えられているのだとか。

そのため、フジバカマにやって来るアサギマダラは圧倒的にオスが多いとのこと。

それにしても、フジバカマの花は、いつ見ても綿のようにフワフワしていますね。

綿のようなフジバカマ

綿のようなフジバカマ

フジバカマにやって来る蝶はアサギマダラだけではありません。

ツマグロヒョウモンチョウも、たくさんいましたよ。

ツマグロヒョウモンチョウ

ツマグロヒョウモンチョウ

青空の下で見るたくさんのフジバカマは、とても美しいですね。

フジバカマでいっぱい

フジバカマでいっぱい

朱雀の庭にはレストランも隣接しているので、お食事をしながらフジバカマを眺めることもできますよ。

フジバカマにつかまっているアサギマダラは無防備で、人が近づいても逃げようとしません。

フジバカマにつかまるアサギマダラ

フジバカマにつかまるアサギマダラ

だから、望遠のレンズを使わなくても、至近距離からアサギマダラのアップの写真を撮影できますよ。

アサギマダラのアップ

アサギマダラのアップ

朱雀の庭では、フジバカマの他にも様々な秋の花が咲いていました。

水辺で咲くピンク色の花はシュウカイドウです。

シュウカイドウ

シュウカイドウ

フジバカマと赤色の秋の花を一緒に眺める景色もきれいでしたよ。

フジバカマと秋の花

フジバカマと秋の花

数年ぶりにフジバカマを見に朱雀の庭に入りましたが、やっぱりたくさん咲くフジバカマは美しいですね。

入場料が200円と格安なのもありがたいです。

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