京都に観光で訪れると、大きな門を見かけることがありませんか。
事実、京都のお寺や神社の入口には、大きな門がよく建っています。
これらの大きな門の中でも、特に「京の三大門」は迫力があります。
京の三大門に数えられているのは、仁和寺(にんなじ)の二王門、南禅寺の三門、知恩院の三門で、いずれも全景を見るためには、門からかなり離れる必要があります。
仁和寺の二王門
仁和寺の二王門は、高さが約19メートルあります。
仁和寺が建立されたのは、平安時代前期です。
応仁の乱(1467年)で伽藍が焼失しましたが、江戸時代に徳川家光の援助で復興されました。
二王門が再建されたのもこの時で、完成は正保元年(1644年)頃とされています。
二王門の名は、門の左右に金剛力士像が立っているのが由来です。
「仁王門」ではなく「二王門」です。
南禅寺の三門
南禅寺の三門の高さは約22メートルです。
入口ではなく境内の中に建っているのが特徴的です。
南禅寺の創建は鎌倉時代後期です。
三門は、江戸時代前期に藤堂高虎が、大坂夏の陣(1615年)で戦没した藩士の霊を弔うために寄進したものです。
楼上には、宝冠釈迦如来坐像を本尊とし、その脇に月蓋長者(がっかいちょうじゃ)と善財童子、左右に十六羅漢を配置しており、本光国師、徳川家康、藤堂高虎の木造を中心に一門の重臣の位牌や戦没藩士の位牌なども安置されています。
拝観料を納めれば、三門に上ることもできます。
大泥棒の石川五右衛門が、この三門に上って「絶景かな」と言ったと伝えられていますが、三門が再建されたのは寛永5年(1628年)なので、すでに石川五右衛門は他界しており、この話は史実ではありません。
知恩院の三門
知恩院の三門の高さは約24メートル、横幅は約50メートルあります。
京の三大門の中で、最も壮大な門で、現存する木造楼門では最大の規模を誇っています。
三門そのものも高いのですが、石段の上に建っていることで、さらにその姿を大きく見せています。
創建されたのは、江戸時代前期の元和7年(1621年)で、徳川秀忠の寄進によって建てられました。
入母屋造り、本瓦葺の五間三戸二階二十門で、左右に山廊のある三門特有の形式をしています。
知恩院の三門には、普段は上ることができませんが、特別拝観が行われることがありますので、その機会に上ってみると良いでしょう。
三門内には、須弥壇中央に宝冠釈迦如牟尼仏像、その左右に須達長者と善財童子、脇壇の左右に十六羅漢像が安置されています。
また、三門楼上に2つの白木の棺が安置されており、その中には将軍家より三門造営の命をうけた造営奉行の五味金右衛門夫婦の自作の木像が納められており、知恩院の七不思議のひとつに数えられています。
三門の正面に掲げられている霊験天皇の宸筆「華頂山」の額も見ておきたいですね。
なお、知恩院の三門は、平成14年(2002年)5月に国宝に指定されています。
京の三大門を1日で拝観するには
京の三大門を1日ですべて拝観するには、市バスを利用するのが便利です。
京都駅から出発する場合、、南禅寺、知恩院、仁和寺の順番に回るのがおすすめです。
京都駅から南禅寺
京都駅から市バス5号に乗車して、「南禅寺・永観堂道」で下車。徒歩5分ほどで南禅寺に到着します。
乗車時間は約35分です。
南禅寺から知恩院
「南禅寺・永観堂道」から市バス5号に乗車して、「東山三条」で下車。徒歩5分ほどで知恩院に到着します。
乗車時間は約7分です。
知恩院から仁和寺
知恩院から北西に10分ほど歩いて「三条京阪前」から市バス10号または59号に乗車して、「御室仁和寺」で下車。目の前に仁和寺の二王門が建っています。
乗車時間は約40分です。
午前中に京都駅を出発すれば、夕方までには京の三大門を全て拝観することができますよ。
また、市バス1日乗車券を京都駅かバスの中で購入しておけばお得です。