京都市東山区の八坂神社から高台寺までは、観光客の方に人気の散策コースのひとつです。
ただ、多くの方が、八坂神社から高台寺まで一直線に向かうため、周囲の景色を楽しんでいないように思えます。
途中に小さいながらも興味深いお寺がいくつかあるので、少し立ち止まって門の前の説明書などを読んでほしいですね。
そこで、今回の記事では八坂神社と高台寺の間にあるちょっと立ち止まってみたくなるお寺を4つ紹介します。
1.東景寺
まず最初に紹介するのは東景寺です。
東景寺は、八坂神社の南楼門を出てすぐの場所に建っています。
このお寺の本尊は、秋葉三尺大権現(あきばさんじゃくだいごんげん)で、1300年前に信州に出現し、その神通力によって観音大士の化身といわれたそうです。
火難、盗難除けのご利益があると伝えられています。
2.祇園寺
東景寺から東に5分ほど歩くと建っているのが祇園寺です。
近代的な建物なので、気づかずに通り過ぎそうになりますが、一度、下の写真を見ておけばその心配はありません。
祇園寺は、平安時代後期に祇園女御が建立したお寺です。
祇園女御は、平清盛の母です。
清盛の父は平忠盛ですが、母の祇園女御が白河法皇に仕えていたことから、清盛は法皇の子とも伝えられています。
この辺りのことについては以下の過去記事で紹介していますので、ご覧になってください。
3.月真院
祇園寺から南に5分ほど歩くと高台寺の子院の月真院に到着します。
月真院は、幕末に新撰組を離脱した伊東甲子太郎(いとうかしたろう)が、孝明天皇を守護するために結成した御陵衛士(ごりょうえじ)の屯所になりました。
最終的に伊東甲子太郎は、新撰組に暗殺され、御陵衛士も崩壊することになります。
4.青龍寺
最後に紹介するのは青龍寺です。
青龍寺は、月真院から南に5分ほど歩くと到着します。ちょっと高台寺を通り過ぎてしまいますね。
青龍寺は、あまり大きなお寺ではありませんが、平安遷都(794年)以前に建立された歴史あるお寺です。
本堂に安置されている本尊の聖観音像は、桓武天皇が伝教大師最澄に唐から渡来した伽羅(きゃら)の木で彫刻させたものと伝えられており、伽羅観音とも呼ばれています。
また、本堂の前にある大小2つの念仏石は、阿弥陀仏を昼夜6回拝む六時礼讃(ろくじらいさん)の際に伏せ鉦(かね)の代わりにたたいた石と伝えられています。
以上が、八坂神社と高台寺の間にあるちょっと立ち寄りたい4つのお寺です。
どのお寺も大きくはありませんが、歴史的に興味深いお寺なので、東山散策の際は足を止めて説明書を読んでみてください。