京都には変わった神社がいくつかあります。
右京区のトロッコ嵐山駅から徒歩5分ほどの場所に建つ御髪神社(みかみじんじゃ)もそのひとつと言えますね。
御髪神社は、テレビなどでよく紹介されるので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
日本で唯一の髪の神社
御髪神社は、日本で唯一の髪の神社です。
他にもありそうな気がしますが、髪の神社は御髪神社だけです。実際に他の髪の神社を探したわけではありませんが、嵐山にしかないはずです。
なので、髪に関する願い事を聞いてくれるのは、日本では御髪神社だけということになりますね。
御髪神社の祭神は、藤原政之です。
政之の父は藤原基春という鎌倉時代中期の武士です。
基春は、宮中に宝物係として仕えていましたが、ある時、宝物を紛失しました。
そして、その責任をとり探索のために諸国を巡り、文永5年(1268年)に下関に住むことになりました。
下関では、生計を立てるために政之が髪結職を始めます。これが、日本最初の髪結業だったのです。
政之は亀山天皇と縁が深かったことから、死後、亀山天皇御陵の近くの小倉山の麓に御髪神社が建てられました。
髪結職は、平安時代くらいからあったのかと思っていましたが、鎌倉時代に誕生したものだったのですね。意外です。
御髪神社に訪れると八坂神社にある美御前社(うつくしごぜんしゃ)を思い浮かべてしまいます。
美御前社は、美人祈願の社です。
髪と聞くと女性の美しい髪を連想してしまうので、御髪神社に訪れると美御前社を思い浮かべてしまうのかもしれません。
御髪神社と美御前社の両方に参拝すれば、ご利益も2倍授かれそうですね。
御髪神社の境内には、髪塚もあります。
願い事を祈願しながら髪を切り、それを髪塚に納めるとご利益があるとか。
髪塚の写真やその他の御髪神社の情報については、以下のWEBサイトが参考になりますのでご覧になってください。
小倉池の紅葉
御髪神社に訪れるとその前に池があるのに気付くと思います。
その池の名は小倉池と言います。
秋になると池の周囲の木々が紅葉し、水面は鏡のようにその美しい姿を映します。
秋の嵐山は観光客の方が多く、道を歩くのも一苦労なのですが、小倉池の近くは人が少なめなので、比較的じっくりと紅葉を楽しむことができます。
この辺りは、意外と穴場なのかもしれません。
御髪神社に参拝する時は、紅葉を観れる秋がいいですね。