京都には、様々な七福神めぐりがあります。
七福神めぐりは、7つのお寺や神社にお参りするもので、それぞれの七福神めぐりによって参拝するお寺や神社が異なっています。
ところが、京の七福神めぐりと京洛七福神めぐりは、参拝するお寺や神社がほとんど一緒で、異なっているのは1ヶ所だけです。
京洛七福神めぐりは以前に行われていたものだそうですが、京の七福神めぐりは七福神組織はないもののご朱印をいただくことはできます。
そこで、今回の記事では、京の七福神めぐりと京洛七福神めぐりの各寺社を紹介します。
ゑびす神
商売繁盛のゑびす神は、京の七福神めぐり、京洛七福神めぐりとも東山区の恵美須神社です。
鎌倉時代に栄西が中国からの帰途、暴風雨に遭い遭難しそうになった時、海からゑびす神が現れ難を逃れることができたことから、帰国後、建仁寺の鎮守社として創建されました。
境内には、財布塚や名刺塚といった仕事と関係のある塚があります。
大黒天
ゑびす神と同じく商売繁盛のご利益を授けてくれる大黒天は、左京区の妙円寺になります。
本堂に祀られている大黒天は、最澄の作と伝えられており、昭和44年(1969年)の火災の際に無事だったことから「火中の大黒さま」と呼ばれています。
また、本堂の前には、下の写真に写っている「なで大黒」さまもいらっしゃいます。
体の悪いところなどをさすって祈願するとご利益があるそうです。
毘沙門天
財運、勝運を授けてくれる毘沙門天は、山科区の毘沙門堂です。
本堂に祀られている毘沙門天は最澄の作と伝えられています。
ちなみに毘沙門堂の入口に架かっている極楽橋は、江戸時代に後西天皇が橋より上の景色がまるで極楽浄土のようだと言ったことから名付けられました。
布袋尊
家運隆盛、金運のご利益を授けてくれる布袋尊は、東山区の長楽寺になります。
下の写真に写っている小さな布袋尊は、庭園の隅に祀られています。
長楽寺と言えば、建礼門院徳子が壇ノ浦の戦い後に出家したお寺として有名ですね。
福禄寿
長寿のご利益を授けてくれる福禄寿は、上京区の護浄院です。
福禄寿が祀られているのは、境内の東に建つ細長いお堂の中です。
寿老人
福禄寿と同じく長寿のご利益を授けてくれる寿老人は、中京区の行願寺になります。
寿老人が祀られているのは、境内の寿老人神堂です。
ちなみに行願寺は、皮聖(かわのひじり)と呼ばれた行円が創建したことから革堂(こうどう)とも呼ばれています。
弁財天
芸術や財運を授けてくれる弁財天は、京の七福神は左京区の三千院、京洛七福神は上京区の出町妙音堂となっています。
三千院
三千院の弁財天は、妙音福寿大弁財天といい、お堂の中ではなく外に立っています。
上の写真に写っている姿を見ると、特に音楽の上達にご利益がありそうですね。
出町妙音堂
出町妙音堂は、賀茂川と高野川が合流する辺りに建っています。
明治時代のはじめに東京に移りましたが、京洛の旧信徒の懇願により再び京都に戻ってきました。
以上が、京の七福神めぐりと京洛七福神めぐりの各寺社です。
三千院を除けば、どこも京都市中心部やその周辺に建っているので、比較的手軽にお参りできるようになっています。
1日で七福神すべてにお参りをしようと思うなら、三千院ではなく出町妙音堂にお参りすると良いですね。