十六羅漢を覆う御幸桜・六角堂

京都市中京区の地下鉄烏丸御池駅から南に5分ほど歩くと頂法寺というお寺があります。

頂法寺は、本堂の屋根が六角形なので、六角堂とも呼ばれています。

この六角堂には、御幸桜(みゆきざくら)と呼ばれる早咲きの枝垂れ桜が植えられており、4月上旬には満開となります。

御幸桜の傘

境内に入ると、青々とした枝垂れ柳が目に飛びこんできます。

春は桜だけでなく、枝垂れ柳もきれいな季節ですね。

六角堂と枝垂れ柳

六角堂と枝垂れ柳

本堂の六角堂にお参りをした後は、その東側に植えられている御幸桜を観に行きます。

御幸桜は、ちょうど見頃を迎えており、傘のようになって、ピンク色の花を咲かせていました。

御幸桜

御幸桜

境内の説明書によると、御幸桜という名は、長徳2年(996年)の花山法皇の六角堂御幸により西国三十三所巡礼が始まったことを受け、花山院前内大臣(さきのないだいじん)が、この桜を見て以下の歌を詠んだことが由来だとか。

世をいのる 春の始めの 法(のり)なれば 君か御幸の あとはありけり

御幸桜の傘の下にいる小さな像たちは、十六羅漢です。

羅漢とは、仏の教えを守り伝えるお坊さんで、十六は四方八方いたるところに羅漢がいることを意味しています。

御幸桜の下の十六羅漢

御幸桜の下の十六羅漢

御幸桜の傘の下に入った羅漢たちは、楽しげな表情をしているように見えます。

六角堂の境内には、親鸞聖人の像が立っています。

親鸞は、100日間、毎夜、雲母坂(きららざか)を通って比叡山と六角堂を往復したと伝えられています。

その親鸞聖人の像は、御幸桜の下にいる十六羅漢を羨ましそうに見ています。

薄いピンク色の花の向こうには親鸞聖人

薄いピンク色の花の向こうには親鸞聖人

先ほど、御幸桜を下から見上げた写真を紹介しましたが、上から見下ろした御幸桜はどんな感じだろうと思い、ビルに上ってみました。

しかし、上から見下ろした御幸桜は、なんとも小さく、しかも六角堂に邪魔されて、あまり華やかに見えなかったので、写真を撮るのはやめておきました。

その他の桜

六角堂の境内に植えられている桜は、御幸桜だけではありません。

境内の南側にも、桜が植えられています。

こちらの桜は、まだ五分咲き程度です。

六角堂の南の桜

六角堂の南の桜

さらに境内の西側にも背の低い桜が植えられています。

六角堂の西の桜

六角堂の西の桜

柔らかそうな枝にたくさんの花が付いており、御幸桜と同じく見頃を迎えていました。

春に六角堂に訪れた時は、満開の御幸桜とその下の十六羅漢像をぜひご覧になってください。

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