2月中旬に京都市右京区の御室(おむろ)に建つ仁和寺(にんなじ)に参拝しました。
仁和寺では、1月10日から3月18日まで、京の冬の旅の非公開文化財特別公開が行われており、普段は見ることができない金堂と経蔵(きょうぞう)の内部を拝観できます。
これまでに仁和寺には、何度か訪れていますが、金堂と経蔵の中に入ったことがなかったので、この機会に拝観することにしました。
金堂内部を拝観
仁和寺の最寄り駅は、京福電車の御室仁和寺駅です。
駅からは北に徒歩約3分で仁和寺の入り口の二王門の前に到着します。
二王門をくぐり、長い砂利道の参道を北に進みます。
そして、中門をくぐってさらに参道を北に歩くと金堂が建っています。
金堂と経蔵の拝観料は600円です。
2月2日、3日、14日、15日、3月3日、4日は経蔵のみの拝観となり、拝観料は300円です。
金堂の西側から靴を脱ぎ中に入ります。
中では、ガイドの方が仁和寺と金堂の説明をしてくれます。
仁和寺は、仁和2年(886年)に光孝天皇の勅願で大内山のふもとに伽藍の建立が始められました。
しかし、その翌年に光孝天皇は崩御し、その遺志を子の宇多天皇が継ぎ仁和4年に完成させます。
寺名は仁和の元号によるもので、東山の建仁寺や比叡山の延暦寺も元号が寺名となっていますね。
仁和寺は真言宗のお寺です。
真言宗では、大日如来が本尊とされていることが多いのですが、仁和寺の金堂には阿弥陀三尊像が本尊としてい祀られています。
その理由は、宇多天皇が父の光孝天皇の供養のために建立したからだということです。
他に阿弥陀三尊像の周囲に四天王像、帝釈天像、梵天像、竜灯鬼、天灯鬼なども安置されています。
中央に坐す阿弥陀さまの体は金色です。
その他の仏像も金色で、背後の壁に描かれた浄土図とともに金堂内部は荘厳であります。
金堂は、慶長18年(1613年)に京都御所に造営された紫宸殿(ししんでん)を寛永年間(1624-1644年)に移築したものです。
金堂の戸は、格子状になった蔀戸(しとみど)で、普段は開けられることはありません。
そのため、普段は、金堂の外からお参りすることになります。
仁和寺は、代々、皇族出身者が住職をつとめてきた門跡寺院(もんぜきじいん)です。
他の門跡寺院では、宸殿(しんでん)と呼ばれる建物があり、仁和寺の金堂と同じような形をしています。
金堂の屋根の上には、亀に乗った仙人がいます。
この仙人は、黄安(こうあん)という人物です。
黄安は、3千年に1度しか水面に顔を出さないとされる亀を3度も見たことがあると伝えられています。
なんとも縁起が良さそうな仙人ですね。
経蔵内部を拝観
金堂を拝観した後は、東隣の経蔵に向かいます。
経蔵の中央には、輪蔵(りんぞう)と呼ばれる八角形の太い柱のような構造物があります。
輪蔵には、小さな箱がたくさん設置されており、それら箱の中には経典が収められています。
そして、輪蔵をぐるっと1回転させると全ての経典を読んだのと同じ功徳が得られるのだとか。
しかし、現在は輪蔵を回転させることはできないので、参拝者が輪蔵を1周して功徳を得ることになっています。
経蔵の内部の壁にも、金堂と同じく浄土図が描かれています。
金堂の浄土図は、仏像の影になって見えにくかったのですが、経蔵の浄土図は間近でじっくりと見ることができました。
浄土図は極彩色でした。
極彩色と言えば、輪蔵の周囲に建つ仏像も鮮やかな色をしていましたよ。
輪蔵の足元にも、小さな仏像が祀られていました。
経蔵内部の浄土図も仏像も、細部まで手間をかけて制作したことがよくわかります。
経蔵内部を拝観したので、外に出ることに。
金堂も経蔵も内部の写真撮影はできませんでしたが、貴重な仏像や浄土図などを実際に見ることができたので大満足でしたよ。
この後は、仁和寺の境内を散策します。
なお、仁和寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。