祇園御霊会発祥の八坂神社御供社

京都市中京区の二条城の少し南。

三条通沿いに三条会商店街があります。

東は堀川通から西は千本通までの約800メートルの長さの商店街で、昭和の懐かしい雰囲気が漂っています。

その三条会商店街には、ひっそりと八坂神社御供社(やさかじんじゃごくうしゃ)が建っています。

祇園祭で3基の神輿がやって来る神社

八坂神社御供社の最寄り駅は、地下鉄の二条城前駅です。

駅からは、南に3分ほど歩くと堀川通側の三条会商店街の入り口に到着します。

そして、そこから商店街を西に3分ほど歩けば、八坂神社御供社の鳥居が現れます。

鳥居

鳥居

鳥居をくぐって境内に入ると正面に本殿が建っています。

境内

境内

境内は狭く、両側の建物に挟まれて本殿が窮屈そうにしています。

八坂神社御供社は、小さな神社ですが、祇園祭にとって重要な場所です。

貞観11年(869年)に京都に疫病が流行した際、三条通の1本北にある御池通に面した神泉苑に66本の矛を立て、祇園社(八坂神社)の神輿を送り、祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)が行われました。

これが、今の祇園祭の始まりです。

八坂神社御供社は、神泉苑の南に位置し、御霊会祭日の6月14日に斎場が設けられ、祇園社の神輿3基を安置し、神饌を供えました。

これが当社の名の由来です。

この近くの町名を御供町(おんともちょう)というのも、これに由来します。

祭神は、八坂神社と同じく、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、八柱御子神(やはしらのみこがみ)です。

明治6年(1873年)に村社に列格し、その後、明治39年に八坂神社の境外摂社となりました。

現在の祇園祭では、旧暦の6月14日にあたる7月24日に後祭が催されています。

後祭は、昼間の山鉾巡行が人気ですが、夜には還幸祭が行われ、3基の神輿が、新京極近くの八坂神社御旅所を出発し、京都市街をめぐって八坂神社に戻ります。

その途中、八坂神社御供社に3基の神輿がやって来ることから、新京極近くの御旅所に対して、又旅社とも呼ばれています。

提灯

提灯

祇園祭の還幸祭の時は、八坂神社御供社周辺は大賑わいですが、普段は境内は静かです。

それでも、八坂神社御供社にお参りをする人が、ぽつり、ぽつりとやって来ており、この神社が地元の方たちに親しまれていることがよくわかりますね。

二条城や神泉苑に観光で訪れた際は、八坂神社御供社にも、ぜひ立ち寄ってください。

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